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戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

聞くともなしに聞いてしまった隣のテーブルの話

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先日、会社での業務を切り上げて、食事をしながら飲みに行きました。結構遅い時間だったのですが、たまに行く結構すいているお店にお邪魔したところ、先客は1組のみ。先客のテーブルからほど遠くない席に案内されました。

疲れていましたので、食事とお酒を頼んでほっと一息ついていたところ、先客の大きな声での会話が、まるで同じテーブルに座っているかのように聞こえてきました。以下盗み聞きではなく、いやでも耳に入ってきてしまった会話の一部です(多少、省いたり、デフォルメしてご本人たちにはご迷惑でないようにしています(声が大きくてこちらの食事には結構迷惑でしたが…))

多分お客さま(A)「僕たちには、難しい技術の話はわからない、具体的にうちで何ができるようになって、どんな効果があるか提案して欲しい」

多分営業(B)「ですので、やはり認知が重要だと思いますので、WEBの仕掛けを統合的に作る必要があると思います。今の人たちは、かならずコンピュータを使えますし、情報源としてInternetで露出することが重要だと思います」

A「だから、それは解かったから、具体的に提案して。露出することだけでなくて、最終的に売上につながって利益が出ることが目標だから、そこを間違えないように」

B「でも、最終的に利益を出すにしても、露出が大事で、GooGleの検索でも4番目と5番目であっても、人の認知には差が出ますので」

A「だからそういったことも含めて提案してって言ってるじゃない」

B「ですので、まず認知をあげていくための仕組みとしてインターネットを効率的に活用するのがいいと思っています。何度も目に付くだけでも、次回見たとき、調べるときに違和感なく入っていけるからです」

A「だから、どうやってそれを行うのか提案して、あくまでも売上に結びつくという理屈が必要で、それを私たちに解かるように具体的に提案して」

以下、延々と続く

(これを、聞きながら一緒にいた同僚にリアルタイムで、営業講座を開いていました。)

若い営業の方だったようで、「お客様に何かをお話すること、情報や考え方を提供することに自分の価値がある」と勘違いされていたようです。それに対してお客様の期待は、自分でかつこの場で答えなくていいから「具体的な提案をできるだけ早く欲しい」という意思がひしひしと感じられました(別のテーブルで食事しに行っただけなんですが)。

営業の方の良く陥りがちな

  • 自らがいろいろなことを知っていて、お客様に説明してあげることが、自分の価値のひとつである

という罠にはまり、折角のお客様の好意にきちんとこたえていませんでした。

実はそのお客様は、予算額も言っていましたし、意思決定のプロセスも教えていましたし、営業のことを信用しているから早く提案をもってこいとまで言っていました。それでも、抽象論でお客様を説得しようとして、最後はお客様から説教されていました。

こうやって間違いを正されながら、みんな成長していくんだよな、と妙に納得した一晩でした。

でも、最後に思ったことは

  1. その予算額で、具体的な企画と仕組みを作るならば、弊社が提案したい(ぐらい魅力的な予算をつんでいました)
  2. 飲み屋で、社名や実名を出してお話をしないほうがよい(すべて社名も担当者もわかりました)

この一日の会話を聞きつつ、昔まとめていた「B-B営業の鉄則」めいたものを思い出しましたので、それも近々にご紹介します。

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