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戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

客観的な視点 - 広報の効用

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マーケティングのお手伝いをする中で、広報(ここではプレスリリースとメディアリレーションに限定しますが)の実施を必要とされる企業が多く、実際に仕事として手がけることが沢山あります。

特にお金をかけないマーケティングの方法として、広報をプロモーションとして捕らえられる考え方がひとつの大きい流れになっています。確かに、広報活動の結果「雑誌に取材されました」、「記事になりました」という結果が生まれれば、プロモーション効果(厳密にいうと露出効果ですが)や、社内の意識のベクトルを統一していく一助になります。

しかし一方で広報活動をお手伝いしていて思うこと、広報活動の効果は別のところにあったりします。

広報活動を通じて外に出て行くメッセージを練っていくことは、実は会社や製品に関して客観的に見直してみる契機になります。自分達の伝えたいメッセージは何であるか、メッセージは一人よがりではないか、客観的に証明できる事実はないか、いろいろな側面から自社がリリースできる内容とともに、メッセージの妥当性を客観的に見直すため、リリース文書を書き上げる過程で確認していきます。この過程で形は違えど一通りの3C分析やSWOT分析をしています。

その結果として、1-2ページの文章に集約された内容は、企業として外部に出して恥ずかしくないメッセージまでブラッシュアップされていると思います。確かに、時間やお客様の状況によって、ブラッシュアップのレベルはまちまちですが、広報活動をきちんと行うことで、事業戦略やマーケティング戦略の立案に必要な分析に、ひとつの客観的な視点からメスを入れることができることは、経営者を含めた上層部の方々にもご理解いただきたい効用だと思っています。

広報=プロモーションだけではなく、広報=戦略の再確認ですね。

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