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情報システム子会社の外販志向 その2

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IBM時代から沢山の情報システム子会社とご一緒にお仕事をしたり、最近でも沢山の会社さんとお仕事やお話をさせていただいています。よく出るお話として、「こんな製品売ってるんだけど、どうやったらもと売れるかな?」という話題は3社に1社くらいの確率で聞くような気がします。

相手の人が、意思決定権があり親しい人の場合には、「作っちゃったもの売ろうとしても難しいと思いますよ」と冗談めかして答えています。よくよくお話を聞くと、大筋の流れはこんな感じです。

  • 必要なもの(機能)を探したけれども市場になかった
  • しかたがないので作った
  • 自社が必要とするものは他でも必要とする人がいるはずで売れるはず
  • 売れるついでに、構築費を回収、または外販で稼ぎたい

まず、商品が無かったということは、市場が小さい・作ることが難しい・ビジネスが成り立たない(適正な価格で売れない)という状態であったことが想定されます。その時点から現状までで変化が起こっていて、市場性が成立するものであれば、現時点で競合が存在しているはずです。この場合には、大手である可能性が高いです。

偶然、市場性の高い製品ができていることもありますが、その場合でも市場性があると判断した場合には、大手が簡単に参入してきます。

結論としては、やはり商品での商売はそんなに簡単にはできないということです。製品の計画は綿密に立てる必要がありますし、外販にはタイミングやアライアンスの組み方が課題になります。でも一方でできてしまった物を「売らなくては」という難題にも回答が必要です。そのために、何故かマーケティング(プロモーション)ではなく、事業戦略としての検討まで行うことが増えてきています。

察するところ、製品の切り口はあくまでも出発点であり、情報システム子会社の本質的な問題・課題は、戦略面の検討にもっと注力する必要があるということなのではと思ったりもしています。

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