コンサルタントのタイプ
先週だったか、コンサルタントの使い方として、一般的に考えられるコンサルタントの使い方をお話しました。コンサルタントを使う方針や基本的な考えは間違えていないと思いますが、お客様が実際に使われる場合に問題になることは、コンサルタントのタイプです。
いろいろなコンサルタントの方々とご一緒にお仕事をさせていただいたり、お話をさせていただく中で、コンサルタントのタイプは2つの軸4種類に分類できると思っています。軸としては、①分析志向と直感志向(語弊があるかもしれませんが)、②成果物志向と行動志向という2軸での分類になると思います。
①の軸に関しては、一般的にはコンサルタントは分析志向であるという誤解が多くあります。確かに最終成果物や報告書等に向けて綿密な分析を行う必要があり、かなり分析能力を要求されます。その一方で、全体像をつかみ、方向性を示唆する、いわゆる戦略やマーケティングの領域でのコンサルティングでは、基本的には直感志向(今はやりの言葉なら「仮説」かな)の人がより優秀なコンサルタントとして活躍しています。
いくつかのお話をしますと、大前研一氏とマッキンゼーで一緒に仕事をしていた人のお話では、「非常に短い時間で全体の方向性・論旨を大前氏が示唆し、その説明と論理構成をスタッフが埋めていく仕事の方法である」ということでしたし、アクセンチュアの戦略系のパートナーの方も、「まず右脳で全体像をつかみ判断して、左脳で論理を確認・補強する」とおっしゃっていました。
でも直感は豊富な経験が元になります。単なる直感は、山勘でありフラッシュアイデアにすぎませんので(フラッシュアイデアを提示するコンサルタントは多いですよね)。
そういう意味でコンサルタントとしては、志向タイプによって、分析志向の人と直感志向の人をチームの中で織り交ぜて、適切な配分で使う必要があると思います。
一方で、成果物志向と行動志向ですが、単に成果物を出す行為は、いずれにせよ行わなければいけないことが多いのですが、その一方で成果物を出すことを目標として活動しているか、実際の仕事の変化や動きを意識して成果物を作成しているかということが大きな違いとなります。
大手コンサルティング会社ですと、まず基本としては成果物志向が中心だと思います。コンサルティング結果は出ますが、行動の結果や行動への変換までは、通常責任を負いません(ここを超えようと各社努力していますが)。
実務をお手伝いして思うことは、お客様が本質的に求めていて、不足している人材は、分析と直感を行き来しつつ、行動志向のタイプのコンサルタントです。実際問題として、コンサルティング会社にも少ない人材ですし(評価しにくいタイプらしいです)、お客様の中でも一握りの優秀なスタッフがこのタイプに属しています。
模範的なコンサルタントの使い方としては、上記の「分析と直感を行き来しつつ、行動志向のタイプのコンサルタント」をチームリーダーにおいて、仕事の特質・負荷に応じて分析タイプの人間を1-2人確保することが考えられます。戦略・マーケティング系の仕事では、このパターンであれば、お客様も満足ですし、最終的な行動に結びつく確立が高いようです。