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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

成果が出ているときは、人は成長しない

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タイトルも逆説的ですが、本質を突く言葉が数多くありました。

成果が出ているときは、人は成長しない

高いモチベーションを維持するためには、小さな成功体験を重ねること。それが続くと、いわゆる「やりがい」を感じます。多くの人はそれを求めるし、それが感じられれば楽しいでしょう。でも、そのやりがいを感じているとき、実は能力はほとんど伸びていないのです。
モチベーションが高いときは能力が伸びていない、というのは鋭い見方だと思います。成長しているのは、成果が出ていない時です。
モチベーションが落ちるときは、心身が疲労します。でも本当のトレーニングというのは、疲労して初めて意味があるもの。いい汗をかいて気持ちいいというレベルでは効果は出ません。負荷をかけてかんばるからこそ、心肺能力が上がるわけです。
心肺能力のたとえは、とても分かりやすいと思います。負荷がかかっていなければ、能力向上は望めないと思います。
「あれがない」「これがない」と言い訳ばかりしていては、結局何もチャレンジしないことになります。どんなに条件が悪くても、それを踏まえて解決するのが仕事なんです。これは考え方の根本原理で、そこを避けて通ると、他の人と同じになってしまう。頭一つ抜けることなんて確実に不可能です。
ベンチャー企業は、無い無い尽くしの世界です。リソースが豊富な大企業で大事なこととリソース不足のベンチャー企業で大事なことは大きく異なります。
大事なのは、どれだけ考えたか。どれだけ発想を変え、知恵を絞って実行に移したか、ということです。その結果、解決できなくてもいい。私はこれを「思考経験」と呼んでいますが、こうしていろんな発想を実行し、フィードバックを得て、またそれを超えるために考える、という繰り返しが応用力のある頭をつくるのです。
成功法則のない世界で仮説検証を繰り返すことが重要なことに通じるものがあります。成果が出ていないからといって、落胆する必要はないともいえます。
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