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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

柔軟性で個人の成長を活かし切る

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ビジネスは、人間がやっていることです。

ベストプラクティスによる属人性排除の幻想

業務なんて、社員のクオリティは気にせずに、トップ企業のものを真似ればよくなるだろう、と経営者は思ってしまいます。でも、いくらトップ企業と同じ業務のやり方をしても、いる社員のクオリティが違えば、効率は変わってきます。バットの振り方を同じように教えても、イチローのように打てるバッターもいれば、球に当たらないバッターもいるのと同じ、とよく言いますね。
言われてみれば当たり前なのですが、業務の効率化だけを考えていると忘れ去られることが多い視点です。
今いるスタッフのレベルに合わせた約束事、決め事が必要だが、スタッフの成長に伴って決め事を柔軟に変えていけば、効率は向上していくんですね。業務は常に変化していくべきものです。それをその業務のリーダーがスタッフの成長を見ながら、コントロールしていくんですね。そのリーダーの手腕に、スタッフの成長と、業務の効率化がかかっているんです。
人間は成長する(変化する)のが特徴です。そのマネジメントこそ、業務の効率化のポイントになります。近視眼的な評価で結果が出ないことに過剰反応し、約束事を増やしたがりますが、スタッフの成熟度をきちんと見た上でやっていかないと、逆効果になってしまいます。
業務というのは、固めるものではなく、柔軟性を持って設計し、スタッフの成長に伴って組み替えていくべきものです。業務を固めて属人性を排除すれば、それ以上の効率化はなされず、スタッフの成長を意味なきものにしてしまいます。
柔軟性こそが個人の成長を活かすことにつながります。属人性を排除するのではなく、個人の成長を活かしきることが、マネジメントに求められていることだと思います。
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