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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

成長を続ける組織の中での個人

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最近愛読している「雑種路線でいこう」の最近のエントリーです。

情より速く

経営者が新卒不信となって教育投資を絞った以上に、若者は会社不信で入社半年もすればリクナビNEXTとかに登録し、貸し借りを反故にされかねない会社での下積みなんかすっ飛ばして、次の面接でネタにできるスキルや業績を手っ取り早くつくろうとするんだよ。その気負いが空回りしてるとイタいというか、採用側からは何処へ行ってもモノにならない「青い鳥症候群」に見えちゃうんだけど。
若い人が転職を繰り返すのは不幸な現象だと思います。短期間では底力が身につかず、時間の浪費が続いていくだけです。
実は学級崩壊と職場崩壊って非常によく似てて、ネットで情報の非対称性が急激に解消する過程で、従来の組織を支えていた教師や上司の権威が崩壊したんだよね。
確かに権限で保有していた情報格差は、実力格差を実際以上に拡大していました。
若手の士気を維持する方法って結局『虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ』が書いているように、報酬ではなく仕事で報いることなんだよね。
抽象論としては全く異論はありませんが、具体的にどうやっていくかは、骨の折れる作業です。
年功序列ならば上司と反りが合わなくても給与は大して変わらず、嫌でも2年くらい我慢すれば代わったのが、成果主義では上司による評価が部下の給与に大きく影響する。だから従前よりも組織運営や評価について、公平さと説明責任を強く求められる。特に給与を下げる場合は動揺する部下に対するフォローが非常に重要となる。
日本で成果主義が根づかなかった背景が明確に書いてあります。
権限を振りかざして頭ごなしに命令するのではなく、目標と状況認識を共有して自律的な提案と行動を促されると逆らえない。しばしば組織から理不尽な指示が下ることもあるが、そのまま部下に指示するのではなく、ぶっちゃけ会社の抱えている矛盾を本音で共有して、共に闘い、こっそり手の抜き方を考えよう。そういう上司に、私はなりたい。
単なるイエスマンではない人が、会社の継続的な成長を支えていくのだと思います。そういう扱いにくい人たちとどう共生していくかが、成長を続けていくための課題になると思います。
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