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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

朝令暮改の発想(2/2)

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引き続き、鈴木敏文氏の最新作から経営に役に立つ部分を。

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朝令暮改の発想

自分では努力しているつもりでも、いまひとつ壁を突き抜けることができず、伸び悩んでいたら、「あるべき姿」を明確にし、それを目標にして新しい仕事のやり方に挑戦してみることです。目指す目標そのものが壁を突破する方法を示してくれるはずです。(86ページ)
壁を突き抜けるには、原点の思いに立ち返ることが重要になります。そういう意味では、目標は高ければ高いほど限界突破力があります。
消費は「経済学」ではなく「心理学」で考えなければならない(103ページ)
消費行動は、すべてが合理的な訳ではなく、感情に左右されやすいものです。勘定よりも感情を捉えることが重要だと思います。
いまは顧客自身に「こんな商品がほしい」という意見のない時代です。需要が旺盛な時代は、顧客もほしい商品が明確でした。しかし、消費が飽和した現代では、どんな商品がほしいか聞いても、顧客自身もほしい商品がわからないのです。(110ページ)
マーケットインの罠にはまることなく、コンセプトアウトの発想で需要を喚起する必要があります。
もちろん、先のことをいろいろ考えることは大切です。しかし、変化の時代に必要なのは、先手を打つことよりも、どんな変化にも対応できる体質をつくっておくことです。(124ページ)
予測困難な未来を予測するよりは、変化対応力を身につける方が実践的だと思います。
「基本の徹底」ができないと「変化対応」もできない(126ページ)
生産性の低さを解決せず、人を増やすとどうなるでしょうか。無駄の多い仕事のやり方はそのまま温存されるため、新たに人が増えたことで仕事が細分化されて相互に溝が生まれたり、コミュニケーションが複雑になって、結果としてさらに生産性を下げてしまう事態を招きかねません。新たに人が増えたことで、逆に仕事を増やしてしまうようなこともあるかもしれません。(171ページ)
仕事量を口実に増員すると、効率は確実に落ちます。人員は不足するくらいで、やっと工夫を凝らす意識が生まれます。人員不足の状態が、個人のスキルを伸ばすことにつながります。仕事にかける時間に関しても、同じことが言えます。
時間をかけると、人間は必要以上の仕事を始め、ややもすると本末転倒した仕事が増えていきます。そして、本末転倒であることに気づかないまま、そのやり方が固定化してしまう。仕事がどんどん増え、やがて仕事量が多くて大変だから人を増やしてほしいといい始めるのです。(177ページ)
上司はあえて部下を追い詰めることで成長を促していく。上司が「仕方がない」と思ったときから部下の成長は止まり、組織も停滞が始まります。(188ページ)
上司と部下との緊張関係が、部下の成長につながっていたのですが、転職時代では緊張のストレスで部下は逃走するだけになってしまっています。
みんなが「いい」と賛成することはたいてい失敗し、みんなから「うまくいくわけがない」と反対されることはなぜか成功する。反対が大きいほど実現できたときにはほかにない新しい付加価値を生み出すことができるため、逆に成功も大きくなるのでしょう。(214ページ)
多数派の意見は、過去の延長線であることが多く、未来の可能性が大きいとは限りません。
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