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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

ただ漠然と上に登っても、そこに幸せはありません

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「千円札は拾うな」で有名な安田佳生さんの最新作「下を向いて生きよう。」を読みました。逆説的な表現ながら、いろいろと気づくことが多かったです。

適度な不便、適度な不満、適度な不幸があるからこそ、人は喜びや幸せを感じられる。つまり、人生の喜びはそうした「欠けた部分にあるということだ。(15ページ)
最も幸せなのは、買いたいものが買えたときではなく、買いたいけれど買えないものがある状態だと言うのは、なかなか深い真理だと思いました。常に高い目標を掲げて、満足しない飢餓感を育むことが重要だと思いました。
人生を豊かにするのは、自分の満足感のためにお金を使う、「消費」である。投資は文化を生まないが、消費は文化を育てる。(25ページ)
何かと見返り(リターン)を求めることが多いのですが、好きを楽しみ、損を楽しむことが重要だと思いました。「消費は文化を育てる」は名言だと思います。
意味がないものにこだわっているのが人間の素敵なところだと私は思う。(34ページ)
客観的には意味がなくても、主観的には大きな意味を持つことにこだわって生きたいと思います。ブログなんかも基本的には個人として楽しめることが第一で、共有できる人とは共有できれば楽しみの厚みが増すかなくらいしか、世間のことは意識していません。
人生は「成功か失敗か」ではなく「絵になるか」(34ページ)
成功や失敗は、客観的に語られるものであって、個人にとっては、好きか嫌いかの方が重要であり、言葉を変えれば、絵になるかどうかの問題である。確かに、絵になる人生って素敵な響きですね。
不思議の勝ち」はあっても「不思議の負け」はないらしい。負けるときには、必ずそれなりの原因があるのだという。(66ページ)
成功した人は「たまたまだ」と思うことが大事だ。もちろん実力がゼロでは成功しないが、実力があっても成功できない人はこの世の中には山ほどいる。(70ページ)
人間の弱さとして、逆に考える人が多いのが現実だと思います。成功すれば自分の能力、失敗すれば不運や他人のせいにする、あまりカッコイイとは言えない生き方ですね。
新幹線のグリーン車に乗っているとわかるが、携帯電話をマナーモードにしていないのは、たいてい社長だ。(82ページ)
勘違いしている社長が多いのは事実だと思います。自分で勝手に重要人物だと思い込み、自分だけは例外扱いを受けたいのだと思います。防衛省の守谷氏もそういう自意識だったのだと思います。
自分にできないことがたくさんあっても、そしてできなければできないほど、自分には何か人とは違ったところに「向いているもの」があるのだと思っていたのだ。(116ページ)
馬鹿にする人がいても決して悲観する必要はありません。何か違うことをやるのが、ベンチャー企業の鉄則ですし、世間で評価されないことでも、好きで楽しいことを追求すれば活路は開けていくと思います。

下を向いて生きよう(安田佳生著、サンマーク出版)

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