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もう一言の極意

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ダイエー副会長の林文子さんの「不思議なほど仕事がうまくいく「もう一言」の極意」を読んで、メールや携帯以外のコミュニケーションの重要性を再認識しました。経営者や上司たるもの、フェイス・トウ・フェイスのコミュニケーション力を高めたいものです。

コミュニケーション上手になるためのコツは、相手をしっかり見ること。相手をしっかり思うこと。あなたの心が相手に届くようにちゃんと向き合い、心をこめて話すことです。(5ページ)
ノウハウ本が氾濫するなか、相手を個人として尊重することが軽視されていると思います。安易なノウハウに依存することなく、人間として尊重する姿勢は欠かせないものだと思います。
本当のエリートは、ちょっとスキがあって、そこから豊かな人間性がかいま見える人だと、私は考えています。(28ページ)
人間性がかいま見えることで親近感が湧きます。共通点を見出すことで、共感・共鳴が生まれていきます。直球勝負で、自分自身をさらけ出すことがコミュニケーションを円滑にする鍵になります。
こちらから相手に積極的に近づいていけば、人間関係の悩みの90%は解決してしまいます。(94ページ)
メールや携帯を使った薄い関係性に慣れてくると、話しかけたり誘ったり、ということが不得意になります。以前のエントリーでも書きましたが、見た目が占める割合は55%です。積極的にアプローチされて嫌な気持ちになる人は、実際少ないと思います。薄い関係性の比率が高まっているなか、疎外感や孤立感を多くの人が無意識に感じていると思います。
私は、言葉の易しさは、心の優しさに通じると思っています。どんな難解なことでも、相手の方にわかりやすい表現で伝えることが肝心です。(97ページ)
「やさしさ」を掛けた巧い表現だと思いました。簡単なことを難しく語る人が増えている気がします。余裕が無く、思いやりや優しさが欠けているのでしょうか。
いまの方は、自分を拒絶されたくない、傷つきたくないと、人に深く関わることを恐れるあまり、あえて深入りしない。その結果、上っ面な人間関係で終わってしまう傾向が強いように思います。(204ページ)
上司と部下が心を通わすこともなく、その方がスキルが高いと勘違いする向きもあると思います。ひいては、仕事の達成感や心の充足感が失われてしまっていると思います。スポーツのようにビジネスができれば、精神の充足は得られやすいと思います。

「不思議なほど仕事がうまくいく「もう一言」の極意」(林文子著、草思社)

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