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企業ITもクラウド的な世界に向かい始めた今日この頃を徒然に‥

テクニカル・リーダーへオススメの一冊

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仕事にかまけて"クラウド的"がちょっとスローダウンです。で、今日は番長の今月のお題で、「あの人にオススメしたい、この1冊」。

エンジニアとして仕事を始めて20年をはるかに超えてしまいましたが、ここ20年、何か仕事をするときに心に浮かぶ言葉がたくさん散りばめられているのが、P.F.ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」でした。

おそらく皆さんも名前だけは聞いたことがあると思いますが、ドラッカーといえば、日本の名だたる経営者にも信奉者が多く、経営や社会の行方を大胆かつ説得力をもって著わしてきた経営学者です。著書は、いきおい経営論、マネージメント論そして社会論が多いですが、意外にも自己啓発的な内容もたくさん書いています。

実は自己啓発本はあまり好きではないのですが、紹介する「プロフェッショナルの条件」は、これからのビジネスリーダーといったような人に、どう考え、どう行動し、どう自己実現していくかを、普遍的で本質的な考え方を中心に述べたもので、ここ10年拾い読みですが繰り返し読んでいます。特に専門性の高いビジネスマン、管理職、テクニカルなりーダーにはお薦めです。

過去のドラッカーの著述の中から、自己啓発的なところを集大成したものなので、たくさんある難しそうな彼の著作を読まなくとも、専門家のリーダーシップに対する彼の考え方のエッセンスを一冊でかなり網羅できます。たとえばいくつか私の心に残っている言葉をあげてみましょう。

「上司の強みを生かすことは、部下自身が成果をあげる鍵である。」
- これは20代のときに出会った言葉で、ちょっとした衝撃でした。上司を生かして自分の成果をあげるなんて発想をしたことのない青二才でしたから。でもこれがきっかけで、新しい技術に取り組むとか、自分のチームを作るとか、その後やってこれたのは、うまく上司を使えたからと正直思っています。

「大工と話すときは、大工の言葉を使わなければならない」(ソクラテス引用)
- エンジニアでない人たちと会話するとき、常に心がけたことですね。技術は自分は分かっても、相手の分野、レベルに合わせて話さないと通じないことは、みなさんも感じることだと思いますが、心にこの言葉を言い聞かせつつ、上司や役員やお客さまなどと会話しなければと思っています。

「汝の時間を知れ、その結果、誰でも成果と貢献への道をあゆめる」 - 卑近に言えばスケジュール管理。細切れな時間でなく大きな塊の時間をつくって、そこでまとまった仕事をする。それが成果につながると、30代の頃、これを言い聞かせて試行錯誤していました。

「知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。」
- よく上司や役員がわかってくれない、お客さまが技術をわからない、と嘆きたくなるときもありますが、そんなときその専門知識を理解している自分が、相手に理解されるまで責任があるというのは厳しいながらも、プロの態度として必要だなと反省しきりです。

「成果をあげることは一つの習慣である」
- これは正直、40代ではじめて心底そうだなと思えた言葉です。卓越した専門家には才能がないとなれないかもしれないが、成果を出していける人には、成果を出すための習慣を身につけることでなれるというものです。もっと若いころから気づいていれば、と思う今日この頃ではあります。

ドラッカーらしく第一章が、「ポスト資本主義社会への転換」とややとっつきにくい部分はありますが、それらを飛ばして拾い読みするだけでも、リーダーとして考えさせられることが満載です。

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