そろってきたPaaSプレイヤーを一言で
この一月、またはこの一年はクラウドでも特にPaaS(Platform as a Service)にとって主要プレイヤーが姿を現した、記念すべき時期と言えるかもしれません。4月のGoogle App Engineの発表、10月のMicrosoftのWindows Azure発表、11月のAmazon Web Servicesの正式サービス化発表、SalesforceのFacebook、Amazonのクラウドとの連携発表で、それぞれの特徴が見えてきたように思えます。
正直なところ、PaaSの好きなわたしは興奮気味ですが、中身はそれぞれ消化不良。とても細部を追いかけるに至っていません。そんな状態ではありますが、少し思い切ってそれぞれのPaaSを一言で言い表せないか、簡単な理解はないか、大胆に試みてみました。一言ですから、視点によって大きく変わるため、いろいろ異論はあるかと思いますが、こう理解しておくといいかも、という程度でうけとめていただければ。もちろんこういう見方もあるというコメントも歓迎です。
まずGoogleのGoogle App Engineですが、今まで内部で使ってきた分散ファイルシステムのGFSやらデータベースのBigtableを使えるようにしてPythonで開発できるオールインワンの環境。9月のブラウザChromeの発表を肯定的にとらえれば、こんな感じでいかがでしょう。「コンシューマークラウドの経験をもちこんだオールインワンのPaaS。今後の独自クライアントとの関係も含めて楽しみなGoogle App Engine」。
つぎにAmazon Web Servicesですが、CPUのEC2、ストレージのS3に始まり、DBのSDB、新たなストレージのEBS、キューのSQS、と徐々にパーツを増やして気付くとPaaSっぽくなった環境。こんな感じでしょうでしょう。「PaaSに使えるパーツを追加しつづけ独特のPaaSの世界を作ろうとている。今後どんな世界が完成するか楽しみなAWS」。
PaaSで老舗っぽいのがSalesforceのforce.comですが、最近のGoogle、Facebook、Amazonとの連携で、もともとCRMソフト的な企業エンドユーザーに近いアプリケーションがより汎用的に見えるようになりました。こんな言い方ができると思います。「カストマイズ自由なCRMのSaaSの経験を生かし、開発が容易なアプリ開発環境。さまざまな他社クラウド連携でその適用範囲の広がりが楽しみなforce.com」。
最後にダークホースが、MicrosoftのWindows Azureでしょう。2005年にGatesの後任のOzzieがサービス戦略を宣言し、3年で描きあげた既存のオンプレミスと密接に連携できる環境。全体の完成まではまだかかりますが、こんな感じでいかがでしょう。「既存のオンプレミスも取り込み一気に新しいアプリケーションモデルまで含めて全体像としたPaaS。どう動き出すか、どこまで動かせるか楽しみなWindows Azure」。
今後、より丁寧に見ていって表現は修正していかなきゃいけませんね。