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企業ITもクラウド的な世界に向かい始めた今日この頃を徒然に‥

クラウドの定義のかんたんな整理

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前回のように、「川の流れのようなものだから、、」などと達観したふりをしても議論はできませんので、やはり"クラウドって何?"というのは整理しなければいけませんよね。すでにたくさんの定義と整理がありますが、できるだけ簡単に。

"クラウド・コンピューティング"の言葉の始まりですが、すでにオルタナブロガー林さんの記事にもあるように、GoogleのCEOのSchmidt氏が言い出したのがどうもきっかけのようです。"クラウド"という雲はみなさんご存知のようにインターネットなどのネットワークを描くときに使った形であり名前ですね。Schmidt氏は言葉を定義したというより、Googleのさまざまな取り組みを表現するための言葉として使っているように思えます。

それを元に、多くの人に受け入れられそうな簡単な定義のようなものがでてきています。これは、オルタナブロガー栗原さんの引用が適切でしょう。

「ネット上のサーバの集合体により処理が行われ、ユーザーは処理の実体や場所を意識せずにどこからでもコンピューティング・サービスにアクセスできる形態」

その後はおきまりのメディアやアナリスト、そしてベンダーが、より正確にまたは他の用語との重なりや違いやを定義しようと試みて、狭く考える人、広く考える人が混在して混乱やバズワード化が引き起こされてきたわけです。

最近、それらの混乱の整理をGartnerがPress Release - "Gartner Says Contrasting Views on Cloud Computing Are Creating Confusion"でしていました。シンプルな整理なんでご紹介しましょう。

「クラウドは2種類のまったく違うものを意味するようになった」。1つ目が、「(雲のような)どこからか提供されるサービスにアクセスすることを強調する意味あい」。そして、2つ目が、「(クラウドの)サービスを作り提供するための技術を強調する意味あい」。

前者のクラウドのサービスはWebやSaaSといったオフプレミス(外部運用)のものを中心に考え、後者は仮想化やオートメーションの技術でオンプレミス(自社運用)にも適用できるものであるが、クラウド全体を表してはいないクラウドの一部分であると言っています。
ごくシンプルに"クラウドのサービス"と"クラウドを構築する技術"と分けて議論するのは、何がクラウドかという議論に比べて、多くの人に分かりやすいのではと思います。

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