ベリングポイント破産がコンサルマーケットに与える影響
個人的にはまずとても残念です。大手ファームには大手の良さもあり、普段はライバルでもあるが結構な数の盟友も各ファームに散らばっています。いやホントに残念です。
対顧的には・・・
既に取引関係にあるクライアントは、即座でなくとも更新時期に契約見直しという行為はきっと積極的にするんでしょうね。ただしこれは悲観的に言ってるわけではなくて、認められた活動には継続や拡大も待っているはずです。いつも言っているように、人間資本の商売ですからね。
でも、再建に向けて頑張ってほしいとエールを送りつつも・・・BID(コンペ形式での新規営業競争)では不利になるでしょうから、そこはやっぱハードル高いでしょうね・・・
内部的には・・・
もともとコンサルファームはロイヤルティ(帰属意識)の薄い業界です。ただ変な話、会社に帰属しているより尊敬する個人(複数の場合はもちろんある)がいての帰属意識の方が強いので、会社に帰属意識を感じる人はファームから離脱するでしょうけど、大勢は帰属している人が健在なら「一蓮托生」になるはずです。私もきっとそうすると思いますし、今のこじんまりしたファームでも同じ気持ちです。ですからそういう帰属されてる人達をどれだけつなぎとめられるかがカギですね・・・
そして財務的には・・・
コンサルファームの一員が同業者にコンサルチックな意見を言うのはおこがましいことは重々承知していますが、これを言わないとエントリがクローズしないので・・・やはり、米国で一度破産(再建は果たすとしても)となると、リブランディングしないと日本法人もやりづらいでしょうね。BD(新規営業開発)では不利ですものね・・・
マーケット全体としても、大手が仮にいくらか分解すると、離脱した彼らが必ず別のコンサルファームとして、規模はどうあれ新エンティティ化しますし、あるいはクライアントサイドすなわちユーザサイドに転身する人も出ますから、そういう意味では活性化という観点でプラスもあります。私が信じるに当業界は非常にポジティブ志向なので、なんでも前向きに活用はするでしょう。・・・もちろん、一番はきちんと復興を果たしてほしいところでもありますが。
昔から時々エントリで、あるいは取材その他プロフィールでもふれてきましたように、私はもともと会計士になりたくてアーサーアンダーセン&カンパニーに入所したんですが入社前にコンサルティングがビジネスユニットとして分離することは決まっており、私は旧AC(アンダーセンコンサルティング、現アクセンチュア)に所属し、コンピュータサイエンスが学業で副業でしたからそれを活かして今に至りますが、あのときも今でもアンダーセンブランドが大好きでした。そしてAA(アーサーアンダーセン)と前職はいろいろあって離別し、そしてAAはエンロンで破たんし、べリングポイントに吸収(?)され・・・でも今そのべリングポイントが破たん・・・となると、いよいよ今度こそアンダーセンブランドが消失してしまいそうで・・・とても複雑で悲しい気持ちです。