本番のために練習がある
一番の趣味のダーツ、はじめて家族の許可が出て週末某店のハウストーナメントに参加してみましたが・・・なるほど、なぜにたくさんの人がハマっていくのか、ほんとによくわかりました(というわけでダーツに関心ない方はどうぞ読み飛ばして結構です<(_ _)>)。
始めてダーツを手にとってから4年目に突入しました。初年度、すなわち3年くらい前に、素人はだしで(当時はハードダーツ)大会に出てみるも、何回やっても惨敗完敗。今思えば当たり前です。ちゃんと考えて練習してたわけでもなく、完全にノリでやってました。
2年目の或る夜、贔屓にするようになった某店(ちなみに今回の大会開催店とは違いますが)にて常連さんのミニトーナメント(まあ突然の練習試合みたいなもんです)に参加させてもらったのですが、まったく上手に投げれず、せっかく誘ってもらったのに恥ずかしいというか、大変悔しい思いをしました。
・・・以来、一昨年から本格的に練習するようになりました。今なら腕前について「そこそこです」といえるような自信は、まあついたかな・・・
まあ、でもこれは今思えば目的のぼやけた練習の束でしかありませんでしたね。
初めての子供が産まれる前後とかで、いろいろ家事に手間もかかるので、土日祭日に月1回のゴルフ以外は基本的に外出しちゃだめと妻に反対されてもいて(あ、私は明らかに亭主関白じゃないです)、大会に出るのは土台無理、だったわけで。だから、大会で試合に勝つ、もしくは充実したと楽しめることを目的にすることはせず、周囲の人から「上手い」と言われたいだけのために、いろんな贔屓の店に行っては「練習」し、常連さんや店員さんと「試合」する日々の繰り返しでした。
これが大会に出たりしなかった頃の不肖の「練習」と「試合」の定義。
で、大会に出た今日、その定義が変わりました。
「大会=本番」のための「練習」であり、練習の中に「練習試合」はあるけど、それは「試合=本番」のレベルとは違いますね。「試合形式の練習」はあくまで「練習」の域なのだと感じました。これまでの試合(練習試合)は個人的には強く「この試合、絶対勝ちたい」と思ってやってはいるつもりだったのですが、本番(大会での試合)に勝つというのは全くプレッシャーの種類やレベルが違いました。
これまでも「1つの試合を大事にする」という思いは強く持っているつもりでいましたが、今までとは違う雰囲気=プレッシャーがあります。
1)他人がみている。
・・・お店で普通に誰か知人や他人がみている比ではない他人の視線を後ろから感じます。これはもう緊張感違いますね。
2)他人と組む。
・・・ダブルス形式では大抵まったくの他人と組むこともあるのですが、「自分のせいで負けたくない」という思いをはるかに強く感じます。
3)厳格なルールに縛られる。
・・・今回はダブルエリミネーション(敗者復活はあるが2回負けたら終わり)形式のトーナメントでしたが、このルールに例外はないので、「負けたら終わり」というプレッシャーはこれまでの(練習)試合に比べて、遥かに高いレベルのものでした。いわゆる「泣き」は認められません。
今回、不肖は初めて行ったわけで、まったく知らない人とダブルスを組みました。
初戦、ふりかえると、「これでダメダメだったらきっとトラウマになっちゃうからこれまで努力してきた成果を絶対出すんだ!」と程よい緊張感ができあがっていたのか、パートナーをうまく援護出来て、勝利に貢献できた実感が持てました。最後も自分がインブル(ど真ん中)にズドンと1投でアガリ!
最初の試合で幸運にも最初の勝利!・・・ほんとうに幸運でした。「ああ、これまで一生懸命練習してきてほんとによかった」って感じで。
ですが、2回戦、明らかに自分はパートナーをうまくフォローできず、負けました。1ゲームは3セットマッチ、うち1セットはパートナーの人が「今度は僕が頑張りますからね!」との言葉通り明らかに彼のおかげで勝てました。ですが残り2セットは明らかに不肖が振るわず、惜敗しました。すごい責任感じますね。もう、超がっくし・・・
で、敗者復活、3回戦。上述の通り、2回負けたら終わりです。すごい緊張しました。「今度負けたら終わり。絶対勝たなくちゃ。さっきは明らかに助けてもらった。パートナーのためにも!!」そんな気分でした。
二人して気負っちゃいましたね・・・しかも相手もかなりうまい既知の常連さん(っていうか、え?負けたの??えー、敗者復活に来ないで勝ち組の方に進んでてよ!って気持ちでしたが)。惜敗じゃなくて完敗しました。
パートナーの人と握手。
「あー、僕の方がまったく力出せなくて連敗しちゃって本当に申し訳なかったです」
「いえいえ、僕もまだまだでした。今度また組めたらいいですね。また是非!ありがとうございました」
・・・なんて紳士なのじゃ。うるうる・・
勝つばかりじゃない、楽しもうよ、とは言うけれど、普通人間いくらか負けず嫌いの方が多いですよね。
「元」パートナーの方は、敗退が決まり、5分もしないうちに荷物を纏め、お帰りになりました。私はせっかくだから以降の試合もしばらくみたかったし、見送りながら背中をみていましたが、・・・これはね、本当―――っに、悔しかったですよ。ある意味辛いです。
・・・俺、ぜんぜんまだまだじゃん。ぜんぜん下手じゃん!!
でもね。悔しいけど、ネガティブでもないんですよ。本気で「もっと上手くなりたい」と心底思えたんです。
そのあと贔屓のお店を2件くらい梯子して反省会(?)にて、何人かの人と「練習試合」をしたのですが、勝率も内容も普段よりすごいよかったです。これは本当に驚き。
・・・今までだったらこんなテンションには自分で持っていけなかったと思います。
本物の「本番」を経験したからに違いない。まだまだ初心者みたいなそんな思いを感じたのでした。
というわけで教訓。
今日のメニュー、みたいな、その日の練習目的とか目標設定をきちんとしてない練習は、本番に殆ど役に立ってない気がしました。本番では、「この前にここを狙って確実に入れる練習したじゃん」とか「あの日にこれと一緒のアレンジ(得点する順序を戦略的に工夫して狙うこと)であがる練習したじゃん!」みたいなことは結構鮮明に思い出すものですね。すごいびっくりです。あ、もちろん逆に「あー、あの晩とおんなじシチュエーションでやっぱりあがられた」と、負けてすごいがっくりする記憶もあります。結果不肖は負けたわけですから・・・
本番ってあっという間です。すごい時間の経過を早く感じます。ですから集中力は想像していた範囲ではありませんでした。極めて短い時間で2,3回のゲームの結果に高い集中力で臨まないと、あっという間に形成逆転されてしまう。自分の得意と不得意が何か、嫌というほど思い知らされた気がしました。種々プロスポーツの世界でも、たった一日、何時間足らずの本番に備えて、何ヶ月も何年もかけてすごい練習して、それでもほんの一握りしかスターになれないわけですが、レベルは違うけど、本番のために「考えて」練習する、その意味はよくわかりました(個人的には、です。あくまで・・・)。
1.「本番」はとても時間が経つのが早い。
2.あくまで「本番」を想定しての練習である。
3.「目的をもって」練習しないと高い成果につながらない。
これまでダーツと仕事に相関があるとエントリを以前書いたりもしましたが、ようやくその理由や理屈の根幹が実感できてきた気がします。
メンタルがほんとに大事なんだということです。気持ちが充実してノッてないと、まったくダーツが飛びません。独学的な、技術的解説をさせていただきますと、フォームが固まらない、投げる前に狙っている場所へ飛んで行く弾道がイメージできない、という感じでしょうか。
普段も、仕事で充実感をもててから、あがって投げに行くのと、いろいろ悩みや思い残しがあるままで、低いテンションで行くのとでは、実際ほんとにSTATS(成績)が違います。単純にテンションが高ければいいわけでもありませんが、集中力の阻害要因が少なく、且つさらにノリノリになれるだけの充実感を持ち合わせてでないと、気分のよいダーツは楽しめないようです。
ダーツは戦略的ゲームなので、ダーツの成績が良かった日は、割合狙ったところに刺さるだけでなく、その日の得意と不得意を冷静に見極められていて、自分の不得意をどう得意でカバーして最終的に勝つかを「自然に」考えられている気がします。練習モード(前述した練習試合でない本当の練習)でも、その日の戦績から自分の得意と不得意をどのように伸ばしたり磨きなおしたりするかが「自然に」できているようです。
仕事もメンタルは意外に大事と思います。悩みとか心配事があると仕事に集中できません。
あ、でも、だからこそ仕事が不調でも時間があればダーツはやっています。気分転換になるかどうかは個人差があるように思いますけど、私個人は仕事が今一歩のとき、「どのくらい状態が悪いのか」をダーツの戦績から分析したりしています(マニア過ぎますかね・・・)。自分ではたいしたことないと思っていたのが、戦績の内容のひどさから、「あー、強がっていたけど、実は結構ショック受けてんのね・・・」みたいな分析には結構使える気がして。「うーん、よーし、頑張ってリカバリするぞ!」って気合を入れなおしみたりして・・・
後日、少し時間をかけてもう一度分析してから、別エントリで発表したいとも思いますが、今日はひとまず、ここまででご容赦を・・・長文失礼しました。<(_ _)>
ダーツに無関心もしくは嫌いな方には大変失礼しました。
ダーツに興味ある方々には少しでも何らかのメッセージが残れば幸いです。
(追伸)ソフトダーツの大会って結構みんな飲みながらやってるんですね・・・びっくりしたというか、昼酒は酔っ払いますね!まあ、でもその分、残念負けちゃってもなんか楽しく過ごせたりもするのかも知れないですが。・・・でも酔い覚めるとやっぱりすごい悔しかったです。