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欧州などではプロジェクトマネジメントが見積り全体の2割から3割(体系を理解する目的として..1)

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 前回からの続きです。
 

欧州などではプロジェクトマネジメントは見積り全体の2割から3割

 ある外資系企業でプロジェクトマネジメント実践研修の講師をしている時に受けた質問で、「本社のある欧州では、顧客に対する見積書の項目にプロジェクトマネジメントがなくてはならず、それも全体の2割から3割で、私のプロジェクトは全体でおよそ40億円なので、だいたい8億円から12億円計上しないと、怒られるのですが、日本では、プロジェクトマネジメントが見積書の項目にあると怒られます。これはどう対処すべきなんでしょうか?各項目にちりばめるしかないんでしょうか?」というものがありました。

 これは書籍「ベースラインで成功するプロジェクトマネジメント」の「まえがきに代えて〜日本のプロジェクトマネジメントをIT業界から変えていく〜」でもご紹介させていただきました。

 もし日本がプロジェクトマネジメントについてうまくいっているようであれば「当然の事として物事を最大の効率で上手く進めるということは価格に組み込まれている」と捉えられなくもないのですが、残念ながら「プロジェクトマネジメントの存在や価値を正確に意識できていない」という意味だと思っています。

 でなければ業界全体として、これほど安易にプロジェクト・マネジャーの複数プロジェクトの兼務等が行われるはずがありません。

 プロジェクト・マネジャーが複数のプロジェクトを兼務するのは、最も数多くプロジェクトを失敗させている根本原因であり、結果として様々な形態の問題が引き起こされていると考えています。

 また、プロジェクトマネジメントがどういうことなのか、まったくといってよいほど理解されていない事の表れと思っています。

 考えてみると、日本に今、優秀なプロジェクト・マネジャーが沢山いるとして(これは教育政策戦略レベルの話になってしまいますが)、世界のIT要員がインド人、世界の工場が中国になっているのと同様、世界のプロジェクト・マネジャーが日本人であることができたら、資源がなくても全体の2〜3割という高い配分で外資が稼げるとても良い手段かもしれなかったのに、と、そのために最低限必要な事もおおよそイメージできるので、残念でなりません。
 
次回に続きます。

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