自分史は認知症の症状緩和や予防に役立つ
毎日新聞のサイトに、自分史に関する記事が掲載されていました。
秋田市の「私の絵本カンパニー」が、認知症患者らの自分史を
絵本にするサービスを始めたとのことです。
代表の北林さんがこのサービスを始めたきっかけは、
認知症にかかった祖母を老人ホームに見舞っていたことだそうです。
以下に記事を引用します。
北林さんは当時、会社を退職した後、帰郷していた。そううつ病と診断され、うつの状態や認知力の低下を身をもって経験し、認知症の患者の心情を理解できたという。認知症患者や高齢者のためのビジネスをできないかと考えた末、老人ホームで聞いた祖母の話を基に、祖母の自分史を絵本にしようと思いたった。「おばあちゃんのためだけじゃなくて、誰に渡しても読みたくなるものにしよう」と取りかかり、昔の写真を組み合わせるなどして完成させた。
この絵本が祖母の症状を変えた。祖母は当初、結婚から出産ごろまでの記憶しかなかったが、絵本の写真や文を見ると、これまで口にしていなかった思い出を次々に語り始めた。表情が明るくなり、後ろ向きの発言も少なくなっていった。「声にも張りが出て、元気になって、10歳くらい若返った感じだった」と北林さん。
以前、NHKの「ハートネットTV」でも、認知症のデイケアセンターで
スタッフが認知症の方の自分史をつくってあげたことで、
その方が明るさを取り戻して、
コミュニケーションも取りやすくなったという例を取り上げていました。
また、自分史をまとめるときに、自分の過去を思い出そうとすることで
脳が活性化して、認知症の予防になるともいわれています。
厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者のうち、
認知症の人は推計15%で、2012年時点で約462万人にのぼり、
認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いて、
65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”となるそうです。
ぜひ自分史を、認知症の緩和や予防で、
もっと活用してもらえるようにしたいですね。