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レンサバ並のお値段で国産クラウドを使う【後編】

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第一部その2は、田口アプリケーションサービス課長による「IIJ GIO」のデモです。GIOを使ってWebサイトを立ち上げるまでをリアルタイムで見せていただきました。

IIJ GIOを利用する前に、IIJのサービスIDが必要になります。これは企業毎の契約IDのようなもので、IIJ GIOだけでなくIIJとの契約をまとめて管理するためのIDです。IIJのサービスを購入すると発行されます。なお、IIJ GIOを契約できるのは法人のみで、残念ながら個人は契約できません。

仮想サーバはCentOS 5.4の32bitまたは64bit版です。Xenをベースに独自の作り込みがされているそうです。ある程度のパッケージがインストール済みです。稼働後のOSのパッチあてやOSのバージョンアップは、利用者の責任範囲となります。

サービスIDとパスワードでログインして、申込をクリックした後、通常10-15分で仮想サーバが使えるようになります。この時点から日割の課金が始まります。今回は10分ほどで完了しました。

最初にやらなければいけないことは、管理画面からrootのパスワードを設定することです。その後、コンソールからサーバを起動します。起動途中の画面は表示されません。物理サーバの経験者にとって、このあたりはなんとなく不安な所です。気持ちの問題でしかないのですけど。

仮想サーバのIPアドレスは、契約時に固定されます。ここもAmazon EC2と違う点です。なお、DNSサービスは別途オプションとなります。IIJ以外のDNSサーバでもかまわないそうです。

起動後は、普通にSSLログインできます。ここまで来れば、一般のレンタルサーバと変わりません。今回のデモでは、FTPアカウントにパスワードを設定し、FFFTPでWebコンテンツをアップして、あっと言う間にWebサーバとして公開できました。ちなみに、FFFTPでWebコンテンツをアップロードする速度は超高速で、まるで同じビル内にサーバがあるようでした。

IIJ GIOは実際のプロジェクトで使ってみたいサービスだと思いました。

余談になりますが、オルタナブロガーが盛り上がったのは、仮想サーバを用意する間に説明があったIIJのコンテナデータセンターでした。

富士山が見える国内某所にて、今年の2月から実証実験に入っています。コンテナと言っても輸出入に使う幅2.4mのものではなく、幅3mの特注品です。効率的なサーバラック配置と作業スペースを内部に確保しつつ、大型トラックで移動可能なサイズだそうです。

インターネットトピック: モジュール型エコ・データセンター実証実験

http://www.iij.ad.jp/development/iir/pdf/iir_vol07_topic.pdf

コンクリート基礎、2カ所の出口、消火設備等、日本の建築基準法や消防法に対応した国産コンテナデータセンターです。データセンターで鍵となる空調は、東芝の汎用的な部品を使った専用空調設備です。夏期の昼間はエアコン作動で消費電力が高くなりますが、春、秋、夏の夜等の気候がよい条件であれば、外気の送風だけでいけるそうです。冬は取り入れた外気にサーバーが出す熱を混ぜて使います。空調コスト削減を優先して無理に高めの温度で稼働させるのではなく、ハードメーカーの保証が得られる範囲の温度で運用しているとのことでした。

最も条件が良い時期であればすでにPUE 1.07の数字となっていて、今後は通年でGoogleと同等以上のPUE 1.2以下を目指すそうです。

私を含めコンテナデータセンターが大好きなオルタナブロガーは多いのですが、今回は実際に実証実験を担当しているデータセンターサービス部 事業企画課の堂前氏が質問に答えていただいたことで、いっそう盛り上がりました。

第二部の懇親会では、堂前氏を囲んでいろいろなお話を聞くことができました。機会があれば国内某所のコンテナデータセンターを見学したいものです。

お土産で、全員にIIJ GIOを2ヶ月間使える評価IDをいただきました。このお土産に一番喜んだのは、IPv6の本物のグローバルIP環境が手に入った小俣さんではないかと思います。私はNetCommonsやSugarCRMを入れて評価する予定です。仮想サーバでroot権限が使えれば、NetCommonsの動画配信モジュールをインストールできそうです。

IIJの皆様、ありがとうございました。

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