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レンサバ並のお値段で国産クラウドを使う【前編】

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株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)主催の『クラウドサービス「IIJ GIO」ブロガーミーティング』に行ってきました。

第一部その1「なぜIIJ GIOが生まれたのか?~日本発クラウドサービスの誕生秘話~」では、GIOマーケティング部 小川副部長からプレゼンテーションがありました。

2010年4月にIIJと合併した株式会社アイアイジェイテクノロジーは、10年以上前から「IBPS」のサービス名でIaaSを提供していた。IBPSは25,000管理ノード(台)の規模となっている。IIJは実はIaaSの老舗である。

1990年代後半になると、Server Side JavaやASPが実利用に耐えられるようになった、ネット上でクレジットカード決済サービスが提供されるようになった等、環境が整ったことにより、ECサイトが急増した。ECサイトはどこも似たようなシステムアーキテクチャ構成であり、その都度コンフィグレーションしていると、エンジニアが飽きてしまう。

そこであらかじめ大きな自社設備を用意しておき、その都度切り売りすればいいのではという発想が出てきた。これならお客様にとっても、資産を持たなくてよい、必要な期間だけ契約できる、納期が短い等のメリットがある。2000年にIBPSのサービス名でリリースした。

大企業でIBPSを利用している実績がある。大企業のWebサイトは、新製品発表やイベントの時に短期間だけ急激に負荷が高くなることがある。利用者企業では従来はピークに合わせてサーバを持っていたが、IBPSを利用するようになって繁忙期だけリソースを手軽に追加することができるようになった。

極端な話、インフラのサイジングができなくてもなんとかなってしまう。当初予想以上の負荷やディスク容量になった場合でも、ディスクの追加・削減がオーダー変更だけですぐできる。タイムセールのトラフィック急増等に柔軟にリソースを増減して対応できる。

ECサイトの用途では、サーバーへのネットワーク接続は、一般顧客がアクセスするインターネット側と配送業務などで使う閉域網側(イントラネット)の両方が必要になる。

Amazonのクラウドは余った自社リソースを小売りするところから始まった。Amazonのクラウドでは閉域網ネットワークは使えない。

IBPSは最初から商用サービスとして専用に用意したことが大きな違いだ。プライベートIP空間を利用可能なので、企業のマシンルーム代わりに使える。プライベートIPアドレスは、IIJ側で使えるIPアドレスを指定するのではなく、利用者のIPアドレスを使える。利用者の社内のサーバーをクラウドに移行する際に、社内からの接続先のIPアドレスを変更する手間は不要だ。

また、利用者の管理者がインターネットからポートの開閉設定ができるところもAmazonとは違う。

クラウドが普及して来たのに合わせて、IBPSをクラウドサービス「IIJ GIO」にブランド変更した。IIJ GIOは、グローバルIPの接続性とプライベートIPの接続性を両立する「本物の」プライベートクラウドだ。

IIJ GIOのサービスメニューは、レディメイドの「IIJ GIOアプリケーションサービス」「IIJ GIOプラットフォームサービス」と、オーダーメイドの「IIJ GIOコンポーネントサービス」がある。

「IIJ GIOコンポーネントサービス」は個別の要件に合わせて、ITリソースパーツを構成して提供する。閉域網ネットワークの提供はこのメニューになる。

「IIJ GIOプラットフォームサービス」の「IIJ GIO ホスティングパッケージサービス」が、Amazon EC2やニフティクラウドの比較対象になる。仮想サーバー1台で月額4,000円の「ベーシックプラン」等、7つのプランを用意している。初期費用不要のプランもある。日割り契約が可能で、1日あたりだと133円からになる。

Amazonは1日あたり2ドル(約180円)だから、価格面でも競争力はある。ただし、価格競争は今後さらに激化すると考えている。

後編に続きます。後編では仮想サーバーを体験します。

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