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【Windows7】パソコンの買い換えに投資するのはちょっと待った!

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2009年10月にWindows7が発売されました。Windows Vistaを飛ばしてWindows XPで引っ張ってきて、「今年はうちもそろそろパソコンを買い換えようか」と検討中の企業は多いでしょう。

これまで企業ではパソコンを3~5年で買い換えてきたことと思います。ハードウェアとして問題がなくても、Windowsやその他のソフトウェアが陳腐化してしまうために、パソコン本体を買い換えるしかありませんでした。

この繰り返しを止めない限り、今年導入したWindows7パソコンが数年後にまた買い換えになるのは確実です。しかも、その度に新しいパソコンを設定したり、古いパソコンのデータを移し替えたりする余計な手間がかかります。

ここで一つ提案です。古いパソコンのハードディスクをはずして、シンクライアント端末として再利用する方法があります。

三技協の「THINREBORN(シンリボーン)」と「ThinStick(シンスティック)」は、ちょっと変わったおもしろい製品です。

これを使ってどんなことができるのでしょうか。

シンリボーン/シンスティックの中身は、フラッシュメモリにインストールされたLinuxと専用のクライアントソフトウェアです。IDEタイプのシンリボーンは、パソコン内蔵のハードディスクと入れ換えて使います。USBタイプのシンスティックは、USBポートに挿して使います。

パソコンの電源を入れると、専用クライアントが起動して、Windows ServerのターミナルサービスやCitrixサーバーに接続できます。通信プロトコルはRDPとICAに対応しています。

つまり、古いパソコンのディスプレイとキーボードを使って、ネットワーク経由でWindows Server 2008等で動くWindowsデスクトップを使うことができるようになります。パソコン側でWindowsが動くわけではありませんので、Windows 2000などの古いWindowsが入っていた非力なパソコンでも大丈夫です。最新のWindowsデスクトップを使うことができます。

USBタイプのシンスティックをお借りすることができたので、評価してみました。Windows Server 2008 のターミナルサービスと、3年前のノートパソコンの組み合わせで試しました

設定作業はとても簡単です。

USBメモリから起動できるパソコンでは、シンスティックを挿して電源を入れればOKです。BIOSの制限でUSBポートから起動できないパソコンでは、付属のCD-ROMでブートしてシンスティックを認識させることができます。

起動後は、初回のみネットワークや画面の解像度の設定になります。今回使ったパソコンでは全て自動で適切な値が認識されました。LAN接続でDHCPサーバーが動いていれば、何も設定することはないでしょう。無線LANとダイアルアップ(PPP)接続も利用できます。VPNに対応していますので、社外から社内LANへのアクセス用途で使えます。

起動した後は、Firefoxベースのブラウザが標準装備です。ブラウザで使えるカナ漢字変換(IME)が含まれます。ネットブック風にブラウザだけ使うのであれば、このままで十分実用になります。

今回はリモートデスクトップでWindows Server 2008に接続してみました。ターミナルサービスにログインすると、見慣れたWindowsのデスクトップが拡がります。ここまで来てしまえば、普通のWindowsパソコンにしか見えません。この時IMEはWindows Server上で動きますので、ATOKを選ぶことも可能です。

今回は普通の100Mの有線LANを使いました。反応速度は非常に快適でした。同じパソコンでWindowsを動かしたのでは、絶対に実現できない速さです。しかも、手元でハードディスクにアクセスすることが一切ないので、ディスクアクセスの音やLEDの点滅がなく、とても静かなのが新鮮でした。SSD搭載のノートパソコンを使っているようです。

シンクライアントの見た目がWindows7でなければ嫌だという方には、サーバーにVMwareを導入してその上でWindows7を動かす方法があります。これはVMwareに詳しい弊社パートナーのネットワークデザイン株式会社の大川さんに教えてもらいました。

今のような経済状況で全社員のパソコンを買い換えても、パソコンが会社の利益を生み出すわけではありません。

パソコンのハードウェアの寿命は意外に長いです。古くなったと言って、数年おきに新しいものに買い換えて行くことを、そろそろ考え直してはいかがでしょうか。デフレの時代にも、エコの時代にもぴったりだと思います。

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