オルタナティブ・ブログ > てくてくテクネコ >

顧客サービスとITのおいしい関係を考える

【SugarCRMの使い方】エクセルレガシーマイグレーションはSugarCRMで

»

SugarCRMは、コマーシャル オープンソース ソフトウェアの顧客管理システム(CRM)のパッケージです。無償のオープンソース版(CE版)と、有償のプロフェッショナル版およびエンタープライズ版があります。CE版はGPLライセンスで公開されていて、誰でも無料で使うことができます。

SugarCRMはSalesforceと同じ分野のパッケージです。企業のマーケティング、営業、サポート等の部門で使うことを想定した機能を、標準で備えています。本来はインストールしてそのまま使うものなのですが、今回はSugarCRMをPHPアプリケーションのフレームワークとして使う方法をご紹介します。

それはSugarCRMの「モジュールビルダー」機能です。SugarCRMでは、データと操作画面・帳票のセットを「モジュール」と呼びます。例えば、得意先、営業案件、問い合わせ等です。実際の業務でSugarCRMを使う場合、標準で入っているモジュールだけでは足りないことがあります。このような時に、業務に合わせてモジュールを作成し、画面を設定することができるのがモジュールビルダーです。

場合によっては、標準のモジュールを全部捨ててしまって、自作のモジュールだけで使うことも可能です。1990年代後半に日本に上陸した同じくCRMパッケージのVantive(バンティブ)で、このような使われ方を実際していたお客様がありました。余談ですが、日本のユーザに必要なのは、業務パッケージよりも開発フレームワークではないかと思うことがあります。

モジュールビルダーを使うと、自分が作りたい構造のテーブルをSugarCRMのデータベースに作成して、CRUD(データの作成、読み出し、更新、削除)処理ができる画面を作ることができます。完成したモジュールは、SugarCRM標準のモジュールと同等に扱われます。モジュールビルダーで作ったモジュールとSugarCRMの標準モジュールの間で、データのリレーション(親子関係)を持たせることや、SugarCRMの機能を使ったCSV形式のデータのインポート・エクスポート等ができます。

このモジュールビルダーを使って何をするかと言えば、エクセルレガシーマイグレーションです。

MS Excelを手軽な表計算ソフトとしてだけでなく、データベース的な使い方をしている企業は多いと思います。1つのExcelファイルにみんなで入力して、データを共有しているのではないでしょうか。

このような使い方をしていると、Excelファイルが肥大化してくるだけでなく、長年の「改良」の結果、誰も中身を理解できない状態になっていることさえあります。私はそのようなExcelを「ウナギ屋のタレExcel」と呼んでいます。さらに、自分が使いやすいように微妙に変更したExcelファイルを、各担当者が手元に持っていることがあります。こうなると、データの一元管理さえ怪しくなります。

解決策として、サーバーのデータベースにデータを集約し、検索などデータの利用はBIツールなどのアプリケーションで各自が自由にできるようにするというのが王道のひとつです。マイクロソフトあたりは、無料のSQL Server Expressから始めて将来は本格的なSQL Serverに移行してもらいたいと考えていることでしょう。ただ、これをやろうとすると、Windows SeverやSQL Serverなどの大がかりなサーバーソフトウェアが必要になり、開発期間と費用がかかります。

予算はないけどやる気はある方に、ご提案するのが、SugarCRMのモジュールビルダーです。

例えば、以下のような受注リストのエクセルファイルがあるとします。

Excel_sample

これに合わせてモジュールビルダーで「受注モジュール」と画面を作成して、CSV形式で保存したファイルからデータを取り込むと以下のようなイメージになります。

Sugarcrm_sample1 Sugarcrm_sample2

データの入力、検索、更新、削除はSugarCRMの画面でできます。統一されたインタフェースですので、覚えるのは楽だと思います。大量データを追加する場合は、CSV形式ファイルからインポートできます。この際、CSVファイルの何列目のデータをモジュールのどの項目にインポートするかの対応を定義することや、キー値が二重登録にならないように自動重複チェックすることができます。

一方、格納したデータは、サーバーで条件を絞り込んだ後でCSV形式でダウンロードして、手元のExcelで自由に計算・分析すればいいでしょう。全部ブラウザでやりたいのであれば、多少の開発が必要ですがSugarCRMでレポートやグラフを作ることも可能です。

ここでは例題として他との親子関係がないシンプルなエクセルで説明しましたが、モジュールビルダーではより複雑なモジュールを作ることができます。

このように、サーバーで一元管理しつつ、手元で自由に加工できるシステムができあがります。SugarCRMのCE版を使えば、ソフトウェアのライセンス料金はかからないところがポイントです。


【宣伝】

株式会社テクネコは、オープンソースソフトウェアを使って、お客様の”困った”を解決いたします。SugarCRMの導入・カスタマイズのご相談を承ります。オープンソースCMSソフトウェアNetCommons(ネットコモンズ)を使った”使える”ホームページのご提案もしております。

関連リンク

※弊社のホームページはNetCommonsを使っています。

Comment(2)

コメント

Ikeda

加藤様

はじめまして。片貝孝夫様のページからやってきました。
SUGARCRMには手をつけたり、ちょっと悪態をついたり、なだめたりで、距離を置いています。
さて、 数百万をかけた見積管理システムが使えなくて、というより、データの入力と出力(帳票)のみでしか使えない。
データ共用がまったく考慮されていないのと、営業・お客さん・サブお客さんなどの紐付けがなくて、

バランバランの状態だというぼやきをある大手電設商社さんのシステム部の担当者から聞きました。

SUGARCRMを知っていた担当者の方は、、ほくそえみました。
「あの使えない見積管理システムのデータをCRMに取り込んで、なんとか鼻をあかしてやりたい!」
それから数ヶ月がたちました。
「俺には敷居が高かった。甘く見てた。」

こんな場面が周りで、結構、あります。

なんとかしないと。

テクネコ

Ikeda様、
オープンソースソフトはライセンス料がかからない代わりに、自分で勉強しないといけない部分がありますね。いい意味でも悪い意味でも自己責任ということでしょうか。
SugarCRMに数百万掛けるとけっこうすごいシステムになります。どこに価値を置くかは、それぞれの会社のポリシーかと思います。何かお力になれることがありましたら、いつでもご相談ください。

コメントを投稿する