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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

【三菱UFJ証券】5万x1万=5億

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三菱UFJ証券の顧客情報が持ち出された事件で、名簿業者に売られた約5万人分について、三菱UFJ証券が1人1万円を払うことに決まりました。総額5億円です。三菱UFJ証券の2008年度の純利益81億円の約6パーセントにあたります。

名簿業者に売られた情報が業者間で転売された結果、情報はすでに100社に拡がったことが確認されたそうです。三菱UFJ証券は利用差し止めと回収に努力していますが、現実問題として今からでは無理です。裏では密かに「あの三菱UFJ証券の…」プレミアム付でさらに出回っていることが想像されます。

投資用マンションや先物商品の購入の勧誘電話が、該当の顧客にかかってくる被害が出ています。今回の事件とは関係ありませんが、私も一時期この手の電話が多くかかってきたことがあります。仕事中にかかってきて、しかも一方的に話し続けて、実にうっとおしい限りです。断るだけでも大変で、電話の後は気力が下がります。まともな社会人の常識や礼儀が通用しない相手とわかりましたので、勧誘とわかった時点で問答無用で電話を切ることにしました。気の弱い人だと、電話を切るタイミングをつかめず、延々と話を聞かされるのではと思います。

もし私が今回の被害者で、営業電話を受けていたとしたら、きっと怒り心頭です。今後かかってくるであろう電話も含めて1万円では、納得できないと思います。三菱UFJ証券は、被害顧客の代理人として、弁護士から該当業者に対して勧誘行為を即時に中止するよう警告して、今後、業者からの一切の連絡は弁護士宛とするよう個別に要請してくれるようですが、これは流出先とされている100社以外の名簿を入手したすべての会社に対して面倒をみてくれるのでしょうか。電話してくる業者は毎回違う名前でかけてきたりするので、イタチごっこになる可能性が高いです。

バケツいっぱいの水にインクを1滴垂らすと、バケツの隅々にまで拡がっていきます。インクを回収することは不可能です。一度流出してしまった情報の怖さはここにあります。本当に怖いです。

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