採用面接で「言われたことはなんでもやります」と言ったらきっと落とされるのだろうが。
新卒採用の面接で、「何がしたいですか?」「どんなことをやってみたいですか?」というビジョンとか思いとか聞くことが多いようだけれど、その時、「特にないですが、若いうちは、言われたことはなんでもやります!」と答えたら、どういうことになるのだろう?
「え?君、やりたいこともないの?」
「そんなんじゃダメだよ」
とか説教されて、落とされるのだろうか。お祈りメールなんか来ちゃったりして。
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最近、こんな話を聴いたのだ。
「新入社員のOJTを担当しているんですけど、"私は、もっとグローバルがやりたいんです""この仕事をするために入社したんじゃないです"などと言って、なかなか動かないタイプがいるんですよね」
「あ、そうそう、開発がしたかったのに、保守のチームになったら、テンション下がりまくって、ずっと元気ないのもいるし」
「配属先にも人気不人気があって、人気の部署にならなかった人が配属発表の場で号泣するのも見たことがあります」
「でもさ、仕事って、必ずしも思い通りになるもんじゃないでしょ?」
「そうそう、地味なこととか、面白くないけど泥臭い作業とか、そういうのやっていかなくちゃダメだよね」
「やりたいことばかりできるわけないじゃないね、会社なんだから」
・・・・・・・
ずーっとこんな会話が続いて、ふときいてみた。
「採用面接で、"あなたのやりたいことはなんですか?""どんなビジョンをもっているんですか?"って尋ねていません?」
「尋ねて、答えられなかったらダメって教えてません?」
「必ず、自分のやりたいことを言葉で表現できなかったら、選考の土俵に上げてもらえないんじゃないんですか?」
「特にないです、言われたことはなんでもやりますと答える学生、採用します?」
・・・
全員が黙った。
「やりたいことは何か?」と散々言わせて、入社したら、「泥臭いのが仕事だ」「やりたいことばかりできるわけじゃない」と言うのであれば、
「やりたいことは、一応聞いておきますが、新人のうちは、そうえり好みせず、どの部署でも一生懸命働く人が欲しいです。そのうえで、自分のチカラでやりたいことに到達してください。世の中そんなに甘いもんじゃないですよ」と真実を言えばいいじゃないかと思うのだけれど、
そんなことを言ってしまうと、たぶん、"優秀"な学生が集まらないから、「やりたいことはなんですか?」とあたかもすぐやらせてくれるような空気を漂わせながら、まだ仕事のことは何にも知らない学生に話させるのだろう。
そりゃ、リアリティショックを受けるに決まってますがな、だんな。
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「言いわれたことはなんでもやります!」という学生を採用してみたらいいんじゃないかと思うけれど、まあ、新卒採用に関わっていない私の戯言かもしれませぬ。
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