OJT担当者になる前に自分の新人時代の失敗談を思い出しておく
4月5月と新入社員研修をたくさん担当しました。学卒で1993年生まれが登場している2015年の新入社員。 おお、若いなぁ・・・。というか、つい最近生まれたばかりだなぁ・・・。
新入社員研修が終わったら、すぐ開始するのが、各社の「OJT担当者研修」です。
本年もたくさんのOJT研修が続々。
OJT担当者に初めてアサインされた方も、何年かぶりに新入社員の指導に当たる方も、「イマドキの新入社員の成長をどう支援するか」、一緒に考えるワークショップを各地で開催しています。
研修の冒頭では、OJT担当者同士のネットワーキングも兼ねて、自己紹介を。単に名前や仕事について話すだけではなく、OJTの意気込みと不安、さらには、「自分が新人時代に経験した失敗や武勇伝」を話していただくようにしています。
この失敗談や武勇伝が面白いの、なんの。
皆さん、今はリーダーだったり、ベテランだったりして、しゃきっとされていますが、やはり、若い時分には、それなりのことを「やっちゃった」という方、多いんですよね。
先日お聞きした例は、あまりに可笑しくて、爆笑してしまいました。ご本人の許可もとったので紹介しますね。
「友達同士(同僚同士)で、メールやりとりしていた。プロジェクトのことで愚痴をこぼし合っていた。そのやり取りの流れで、"もうダメだ!"と返信したつもりが、なぜか間違って、全社あてに一斉同報していた。」
・・・・。どういうことかというと、
「社員全員に、ある新入社員から、"もうダメだ!"とだけ書かれたメールが飛んできた」
わけですね。
・・・もし自分がそんなメールを受け取ったら、どんな感想を持つでしょうか。
「こいつ、誰だ?」
「大丈夫か? 壊れているのか?」
「メンタル?」
「暴言?」
・・・・いずれにしても、職場は騒然となったに違いありません。
送信した彼もすぐに気づいて、まずいことした!と思い、会議中だった上司のところに飛んでいき、「とにかく、メール消してください」などと伝えたそうです。
しかし、なんせ一斉同報。
結局、本部長や部長からそれぞれ呼び出され、
「君は何か悩みがあるのか?」
「不満があるなら言ってごらん」
などと訊かれる羽目に。
単に誤って送っただけだと事情も含め説明すると、今度は、「こんなメールを全社に送るなんてやってはいけないことだ!」と叱責され、「始末書」を書かされたとのこと。
なかなかわくわくする体験談ですね。
さて、こんな風にOJTリーダーにご自身の失敗談や武勇伝を思い出して、語っていただくのにはわけがあります。
「自分もかつてやらかしたことがある」ことを覚えておくと、配属された新入社員の指導にあたり、少しは寛容になれると考えているからです。
人は急に「立派」になるわけではなく、
人は突然「成長する」わけでもなく、
誰もが成功したり失敗したり、失敗したり、失敗したり、失敗したり、成功したりして少しずつ成長していくものです。
だから、目の前の新入社員のあれやこれやも落ち着いて見守れるよう、自分の若手時代のことを思い出していただくのです。
さて、皆さんの失敗談、武勇伝にはどのようなものがあるでしょうか。
私は、「田中さーん、これ、FAX送って」と言われ、機械のボタンを押したら、なぜか戻ってくるので、5回連続でFAX送信ボタンを押し、最後は先輩に
「FAX、何度ボタンを押しても戻ってきちゃうんですが」
と言ったら、
「あのね、この紙がそのまま相手側に飛んでいくとでも思ったの?」
と爆笑されたというエピソードを持っています。
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みんな悩んで大きくなった(Suntory)。
【色々なOJT本】
※自分で言うのもなんですがいい本です。「はじめの後輩指導」「現場で実践!若手を育てる47のテクニック」
※「OJT完全マニュアル」は北大の松尾睦先生監修、田中もネタ提供をしています。
※博報堂さんのOJTの本は、非常に役に立ちますよ。