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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

心温まるメッセージをいただいて、改めて自分の存在意義なんかを哲学してしまった。

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私の父は、昭和6年生まれのいわゆる「昭和ヒトケタ」世代である。当然、頑固である。当然、怒りんぼである。 当然、威張っている。 当然、家事は何もしない(に等しい)。

だが、しかし、なぜか、感謝の言葉を口にするのは躊躇がないようで、

「お母さんのご飯はおいしいねぇ」と食事の席でいい、
私が母をどこかに連れ出せば、
「淳子、お母さんを楽しませてくれてありがとう」というなど、ほんの少し、アメリカ人が入っているようなところがある。(1964年から1967年、父が30代前半のこと、一家でアメリカに住んでいたが、そこでアメリカナイズされたのかは定かではない)

ありがとう、とか、おいしい、といった言葉をかけられれば、それなりにうれしいので、やる気にもつながるのである。

さて、もううすうすお気づきのことかと思うが、私は「承認欲求」が強い人間である。

連載コラムやブログでも「面白かった」とか「なるほどー」といったコメントをいただくと俄然やる気になる。Facebookでは「いいね!」とか、その他SNSでも「Like!」とか、そういうの、大好き(笑

先日のこと。私のFacebook Page(最初、ジョークで始めたのですが、なんとなく、”公式”サイトのような運用をしています。)にメッセージを頂戴した。

ネットを検索していて、私のブログやコラム(誠Biz.IDの)に行き当たり、熱心に読んでくださっているという方からだった。(これも読んでくださっていることと思う)

「役立てているので、一言お礼を言いたくて」というようなことを書いてくださった。感涙の極みだ。 (本当にありがとうございます)

そのメッセージとほぼ時を同じくして、昨年研修でお邪魔した先のマネージャさんから別にメッセージをいただいた。

「あの研修がぼくには役立っていて、すごく活用していて、感謝!」といった内容であった。

土日、自宅で、iPhoneの小さな画面からこんな素敵なメッセージを立て続けに2つ見て、感激のあまり、文字がにじんでしまうほどだった(泣いてはいないけど)。

私は、時々、いったい何のために生きているんだろうと思うことがある。いや、もちろん、この世に生を受けたのだから、まっとうするのが義務だとは思う。けれど、現時点で、シングルライフを送っており、子どもも持たず、DNAレベルでの次世代もいない。

誰かの役に立っているのだろうか。
誰かを喜ばせているだろうか。

お調子者なので、言葉が過ぎて、他者を傷つけることもある。
テンション高すぎて、迷惑をかけている場合もある(だろう)。
落ち込んで、なんだ?めんどくさいやつだな、と思わせていることもきっとある。いや、ある。

そういうまあ、なんてことない人生なのだけれど、
研修や講演やセミナーという「話し言葉」やコラムやブログ、FacebookなどSNSなどの「書き言葉」。こういった発信は10年以上続けてきた。

それらが、誰かに受信されて、「助かった」「ありがとう」「役立った」といっていただけるならば、それが私が生きているってことなのかなぁ、と思ったりする。

先日、火曜日に通っている、上智大の「グリーフケア講座」では、作家・曽野綾子さんが講師だった。

「私たちの命は、”いただいている”ものである。 いつ”取り上げられてもおかしくない”もの。与えられているその命は、だから、誰かのために使うのが義務なんだ」

といったことをおっしゃっていた。

働く、というのは、そういうことなのかもしれない。

「誰かのために”命”を使う」。これが、「働く」ってことなんだ。命を与えられている者の使命なんだと、曽野さんの話を聴きながら、すーっと腹に落ちた。

「お金になる」かどうかではなく、家事でもなんでも「誰かのために、自分の命を使う」。これが命を与えられている私ができることなんだなぁ・・。と。

それで思い出したが、昨年のグリーフケアでは、聖路加国際病院・日野原重明さんが、「命ってなんだか分かります? 時間のことですよ」とおっしゃっていたっけ。

自分の命、自分の時間を「誰か」にささげる。身内、家族でなくてもいい。誰か、自分以外の誰かのためにささげる。

そして、「それが意味あることだ」と実感するためにも誰かの「ありがとう」「役立ったよ」「いいね」が必要なのだと思ったのだ。

私は、この土日に2つの心温まるメッセージをいただき、心から「生きがい」を感じた。

私もまた、多くの人に「ありがとう」「役立ってます」「いいね!」をプレゼントしていきたいと改めて思う。 (だからと言って、Facebookで「いいね!」を押しまくるわけではないけれどw)


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<本日のおまけの1枚>

「うつわ」フリーク。ガラスのキャニスターを買ったものの、使い方が思いつかず、花器にしてみたら、かわゆい。

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