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ソフトウェア製品開発現場の視点

世界中の才能を使って製品・サービスを提供するグローバルソーシング

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グローバルソーシングという言葉が使われ始めている。「全世界」という意味のグローバルと、「調達」という意味のソーシングを組み合わせた言葉である。言葉だけを見ると、世界中から農産物を集めても、世界中から部品を集めても「グローバルソーシング」と言える訳であるが、今注目され始めている「グローバルソーシング」で集めるものは、人であり、人の技能であり、才能である。

世界のグローバル化が急速に進む中で、ソフトウェアにおいても製品開発・サービス開発の本当の意味でのグローバル競争が始まっている。これまでのソフトウェアの歴史において、日本は2つの点で特殊な環境によって守られてきた。その1つはソフトウェアの日本語対応であり、もう1つはソフトウェアの品質に対する高い要求である。この2つの高い優先度の要望を満たすため、それ以外の項目はたとえ不利益があるとしても受け入れてきた。しかし、基本ソフトウェアレベルからの国際化の進展、ソフトウェア品質の向上に伴って、日本のソフトウェア業界を守っていた「壁」は日に日に小さくなってきている。現に、多くの人たちは個人的に Gmail などの Goolge が提供するサービスを使い始めているし、企業の中でも Google が提供するアプリケーションを業務に使い始めている。Google は基本的なアプリケーションを中心に提供しているので、目立っているが、業務系のアプリケーションにおいても SalesForce のサービスや、SalesForce 上で作られたアプリケーションは広がりを見せている。

日本語問題、品質問題が以前と比べて小さくなってきている中、クラウドコンピューティングが普及することで、クラウド上のアプリケーションが国境を越えて日本に入ってくるときの障害はほとんどなくなった。アメリカで作られる主要製品、主要サービスは、設計段階から国際化が考慮されており、最低限の翻訳コストをかけることで、世界中のどこの言語にでも対応できるようになっている。これまで、Microsoft などの大きな会社が高いコストを払って実現していた日本進出が、誰にでもできるようになってきたわけである。

これまで、「アメリカで作られる製品」という書き方をしてきたが、実際はこれは正しくない。アメリカのソフトウェア産業はグローバル化が進んでおり、本当に作られている場所の特定は難しい。アメリカの会社でも開発チームはイスラエルにいるという話は昔からよく聞いていたし、近年は開発拠点が「インド」にあることは極めて当然のことになってきた。さらに東ヨーロッパやロシアにチームがあるということも珍しくなくなってきた。簡単に言うと、世界中で最も適した場所で適した仕事をしてもらいましょうということである。ソフトウェアほど、グローバル開発が簡単なものはない。出来あがりは電子データだから、ネットワークさえつながっていれば、となりに座っている人と仕事をすることと、地球の裏側にいる人と仕事をすることの差は、なくなってきている(時差が最大の問題である)。

最も適した場所という意味づけで分かりやすいのは「コスト」である。結果が同じならば世界中で最もコストの安い人に仕事をしてもらうことは、経済上、理にかなったことである。しかし、アメリカからインドへのオフショアリングが進んでいるもう一つの理由は、そこに専門的な知識を持ったエンジニアが(必要な人数)いるからである。ソフトウェア産業が広がっていくに従って、エンジニアに求められる専門知識は多岐にわたってきており、一人のスーパーエンジニアがソフトウェアのすべての知識を持つことは難しくなっている。特に古い製品の保守においては、開発した会社がその知識を継続して持ち続けることはあきらめて、保守全般をインドの会社に委託しているケースは多い。

アメリカの会社が全世界で最適な人、技能、才能がある場所でソフトウェアの開発・保守を行う、「グローバルソーシング」を進める中、クラウドコンピューティングの発展でそれらのサービスが日本に入ってきたとき、日本の製品・サービスが競争力を持ち続けることはできるであろうか? IT 業界が不人気で、優秀な人が集まらない状況で、これまでの競争力を持ち続けるためには、世界中から最適な才能を集めて競争力を保つことも一つの方向性であろう。

Pune_office
写真はインドの Pune にある Realcom Technology India のオフィス



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