「中国ビジネスのここだけの話Vol.5」-「秒殺」商法はご存知ですか?
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中国人は物を買うときに値段交渉が好きである。いくらまけさせるのは重要ではない。売り手を値引きさせることによって、買い手は心理的な優越感を得られる。しかも中国人にとって、値段交渉は売買両方の暗黙な理解で行うもので、頭脳ゲームのようにコミュニケーションの一種として楽しめる。
この点について日本人はなかなか理解しかねる。大体の日本人消費者は決まった値段で物を買うのが当たり前だと考えているだろう。きっと商品の価値にしたがって正当な値段を付けてくれると信じるからだ。また、日本人は他人に迷惑をかけるのが極端に避けて欲しい性格なので、値段交渉がもともと不得意だと言えるだろう。(値段交渉が上手な大阪人の考え方はむしろ中国人に一番似ているかもしれない)
中国のインターネットショッピングサイトでは、値引きで客を引き寄せる販促手段として大いに利用している。その中に一番注目されたのはやはり「秒殺」商法なのである。
「秒殺」の語源についていろいろな説があったが、一説によって、「もともと日本の格闘技団体による作った言葉で、勝負の決着が非常に短時間(秒単位)でつくという意味です」という。
「秒殺」商法とは通販サイトの出店側が人気を博するため、商品を異常なほどの値引きした低価格で時間限定で販売するという販促手法である。買い手は限られた時間内で落札成功したら、何千元の商品を何十元で、或いは何百元の商品を1元程度で入手することができる。もちろんそれを狙って入札する人も多いだから、だいたい販促をスタート時点で何秒以内ですべての商品を落札される。まさに「秒殺」という言葉にピッタリ!
買い手による入札金額を競わせる一般のオークションサイトと違って、売り手はあらかじめ価格を提示する。しかも常識で考えられないほどの低価格こそ、この「秒殺」商法の醍醐味である
「秒殺」という言葉はまさに買い手の購買欲をあおるための最強なキャッチフレーズである。
オークションサイトのタオバオ綱がはじめて「秒殺」商法を使って中国で大きな話題になった。以来、「秒殺」商法は殆んどのオンラインショッピングサイトにも採用されているレギュラー販促手段になった。
タオバオ綱の「秒殺」販促ページ
アマゾン(中国)の「秒殺」販促ページ
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