「中国ビジネスのここだけの話Vol.4」-中国人はポイントより現金値引きのほうが喜ぶ
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日本の店では、お客さんに長期的に商品を買ってもらうようによくポイントカードを発行している。たまったポイントをほかの商品を買わせるシステムが実に巧妙である。だから日本の主婦達は財布を開けたらたくさんのポイントカードを入っているのが普通である。物を買うときにどんなカードを使うか、カードをどのような組み合わせるか、それは主婦達の腕を見せるところで、買い物の楽しみになるだろう。
日本の通販ショッピングサイトの大半も、ウェブページの目立つところに、ポイント獲得キャンペーンを大いに宣伝する。「本日限りに買い物してくれるお客様にポイント何倍を差し上げる 」など必殺の煽り文句がよく見かけるはず。
これは日本の消費者が喜んで受け入れてくれるが、中国で同じやり方で宣伝したら、おそらく誰も喜んでくれないと思う。
中国人の性格では見えない利益より見えるメリットを取る習慣がある。買い物でもポイントより現金値引きのほうが喜ぶ。理由がいくつか挙げてみる。
まず、第一に、中国人は昔から現金主義の伝統がある。現金さえ財布に入れれば、何なかの安心感を得られる。よく日本のマスコミに報道されるように、来日した中国人が買い物するとき、ほとんど現金決済だった。中には日本の不動産を買うのも何千万円の現金で一括支払った強者(つわもの)もいたようだ。
次に、中国の店や通販サイトでは簡単にオープンできる一方、競争が激しいため消えるのも速い。今日この店(サイト)で商品を買ってポイントをもらったといっても、次回買い物するとき、この店(サイト)がまだ生き残っているかどうか、誰も保障してくれないし、予想もつかない。
公式な発表によると、中国では新規会社の平均寿命はただの3年半である。一方、消費者を保護してくれる法律はまだ不十分なので、店が一旦閉めたら、せっかく今までまじめにたまったポイントはもちろんパーになってしまう。
中国の百貨店やスーパーマーケットでは、ポイント制のかわりに「買い物の金額がいくらに達してくれると、いくらの現金を還元してあげる」という販促手法がよく使われる。例えば300元の商品を買って50元の現金を還元してくれると実質の17%の値引きになるわけ。これで消費者も気持ちよく買い物をしてくれるという。
やはり中国人にとっては未来のリスクを心配しながらポイントを溜めるより、今現金値引きをしてくれた方がお得を感じる。
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