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定番表現から旬の話題まで、現役TOEIC講師がミニレッスン

大学全入時代、いよいよ日本でも「出るのが難しく」なる!

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大学の卒業認定を厳格にする動きの背景には、海外のようなeポートフォリオ化の構想も進んでいることを前回お話ししました。今回は、文部科学省委託事業の報告書を編集するにあたって、私が情報源にしたサイトをご紹介します。

■専攻と職業の対照表
http://www3.ashland.edu/services/cardev/cdm-major.html
「What Can I Do With A Major In. . .」というコンテンツが、非常に参考になりました。
この学部で学んだ後、適した職業は○○という具体的なリストがあり、そのためには、書く力、思考力、問題解決能力などをこのように身につけていきなさい、というキャリア教育の中身がよく分かります。

日本の大学では、キャリア教育というと資格を取らせるというような実務教育に走りがちだと思いますが、本当は、学んでいる学問を通してコアな思考力や文章力を鍛え、面接でロジックの通った受け答えができないと入社試験は通りません。
企業側も「資格は入ってから取らせるので基礎をしっかり鍛えてほしい」という意思表示をすれば良いのでしょうが、思考力というのは数値化しにくいもので、結局はベテラン人事の主観(勘と経験)が判断基準であり、尺度も他の学生と比べた相対評価になっているようです。
企業側も、採用~配属後のキャリアパスを追跡して、職種別のコンピテンシーを明らかにした上で、入社試験が絶対評価になるよう採用の質を改善することが、早期離職防止のような経営課題の解決にもつながるはずです。
このようなコンピテンシーの可視化には、大学-企業の共同研究が必要なのだと思いました。

■アウトカムアセスメント
http://www.trueoutcomes.com/truea.html
ここでは、アウトカムアセスメントによる成績評価の方法が解説されています。
アウトカムアセスメントには、全学生を(どの科目を取っても)同じ基準で成績判定することが必要であるという因果性が理解できました。
アウトカムアセスメント → GPA(厳格な成績評価)を取り入れる → CAP制(単位上限)を設ける→ シラバスを点検する... という連続性がわかります。

■eポートフォリオの実例
http://peaks.ust.hk/portfolio/
ここに、eポートフォリオのオートデモがありました。
学生のポートフォリオの現物は見ることができませんが、非常にイメージがわきます。
Attributes
Knowledge
Skills
というポートフォリオになっていたところが興味深いです。
このサイトは香港の大学でしたが、アジアでもeポートフォリオの普及が進んでいることを目のあたりにして、一種焦りを感じました。

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