人材論-5: やっぱりBloggerは転職する。
3月は転職者が多くでる時期であるが、僕の周囲でまたも多くのBloggerが新天地に向けて始動しつつある。
名前をここで明かすことはしないが、ビジネスマンとしてもBloggerとしてもアクティブに活動され、知名度のある人たちだ。いかにBloggerとはいっても、商社や金融のような企業である場合は、さほど簡単ではないかもしれない。IT、特にネット系であれば明らかに転職率は世の平均を遥かに超えているはずだ。
繰り返しになるが、Bloggerが会社を辞めやすいのは、
1) Blogを通じて己の見識や志を多くの人に知らしめることができるようになった。
2) 社外での評価と、社内の評価に落差が出て、それが不満を募らせる。
3) 転職者が多くなったことで、世間の給与レベルが分かり始めて彼我の差を知る。
というファンダメンタルな変化があるからである。
実際は、Blogの良し悪しと実際の仕事力は必ずしも一致しないので、自分が思っているほど自分の能力が高くない、ということに、退職を考えたときに初めて気づくことも多いのではあるが。(最近では多くのセミナーやカンファレンス、プライベートなビジネス的集会も多いから、偽物はメッキが剥がれることにもなる。怖い時代・・・。)
話を戻すと、IT業界では、ネットバブルの際に上場をしたが急成長を望めなくなった企業、あるいは逆に上場のタイミングを逃したが安定モードに入った(=上場のチャンスが遠のいた)企業からの人材流出が相当目立つ。これは当たり前で、ストックオプションを行使して当面金に困らなくなって、かつ仕事でのドライブ感がなくなってくれば辞めるのは無理の無いことだ。また、上場できないベンチャーはただの中小企業だから創業メンバーはいざ知らず、野心ある若者ならさっさと他に移るだろう。
僕はEnterprise WatchでITキーマンへのインタビュー記事の連載(ライターさんがいるんですよね?と訊かれることがあるが、ちゃんと自分で書いてます!)をしているが、ネットエイジの後藤さんとグリーの田中さんが奇しくも同じことを言っていたのが印象深い。これは、「革新的なサービスを作るのであれば、革新的な組織構造を持った企業であるべき」ということだ。Web2.0的なサービスを作りたければ、組織(マネージメントもエンジニアリングチーム)もWeb2.0的である必要があるということなのだ。
ところが、実際にはそういう企業は少ない。革新的なことをやれと言うわりには古い組織の中の古いルールに従ってやれ、と言う。海賊になれというのに、官僚的なルールを守れというのは矛盾しているではないか。
(革新的なことをやりたい、海賊になりたいと主張する社員もまた、周囲との軋轢を恐れて言いたいことを言えずにいることが多いのであるが)
今回、安定した業績をあげる企業を辞して、新天地に活路を求めようとする人たちの勇気をここで称えたい。
そして、いままさに新たな体制で再スタートしようとしているブログエンジン株式会社で、後藤さんや田中さんが主張するような組織を作るために努力していることをここで伝えたい。
・・・・、今まさに辞めようと考えているそこの優秀な皆さん、僕に一報ください。ここにも選択肢はありますよ(^_^)。