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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

さまざまな2.0が、あなたの参加を待っている。

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『Web2.0 BOOK』は順調に売れている。在庫が切れたりして、Amazonに十分な供給がされないなどの問題があるが、むしろ店頭でよく出ているという傾向がある。
この本では、僕がWebが1.0から2.0にいたるまでの歴史と、主にビジネス面での考え方を担当し、後藤さんが技術面の捉え方を担当するというスタイルをとっている。だから僕のパートは比較的易しくITリテラシーがそれほど高くない方でも読めるが、既に相応の知識を持っている人には物足りないかもしれず、逆に後藤さんのパートは技術に疎い人には外国語を多少難解かもしれない。(その意味で僕は、IT業界に投資を考えるような個人投資家や就職・転職を考える学生、あるいはこれから起業を考えるような若者に読んでもらいたいと思って書いた)

ところで、『Web2.0 BOOK』で一番言いたいことは、Web2.0とはバーチャルな世界だけの変革ではない、ということ。映画『マトリックス』で、主人公のネオの超能力が限界まで高まった結果、最後には現実世界においてもその力を発現できるようになる。Web2.0の場合は、Webというバーチャルな世界への参加者や関係する物理的な事象が増えた(クリティカルマスを超えた)ために、Webで起きた変化が、多かれ少なかれ現実世界へも影響を及ぼすようになっている。インターネットはPCを使ってしか利用できないものではもはや無く、ケータイはもちろん、さまざまなシーンでネットと我々の日常生活はつながり始めているのである。

つまり、『Web2.0 BOOK』 で書かれている変化により、多くの事象が同様のバージョンアップを強いられる、1.0→2.0への移行を迫られる、ということを僕は言いたいのだ。Feed 2.0、イントラネット2.0のようなものもそうだし、広告市場やマスメディア、労働市場のあり方、あるいは自家用車、教育現場にいたるまで、ありとあらゆるモノがWeb2.0の影響を受けて大きく変わりだす。
こういうことを言うと「そんな変化はおこる訳が無い」とか「日本は特殊だから時間がかかる」という方がいるが、それは必ずしも当たっていない。
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要は変化を起こす側にあなたがいるかどうか、の問題である。
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Blogを書くということはWebで起きている新しい革命に参加することではあるが、同時に、リアルワールドでの革命にも身を投じないと、本当のところは分からない。変化というものは、全ての人にそれが認知されるまでは、比較的緩慢に動いているように見えるものであり、見えたときには一気に変動していくものなのだ。
全ての変化にコミットすることは難しいので、現時点の僕は、FeedpathによるFeed 2.0の実現と、BlogEngine(およびサイボウズでのアクティビティ)によるイントラネット2.0の実現に向けて全ての時間をコミットしている。この二つのバージョンアップに対して、起きるかどうかを予測するだけではなく、起こしてみせるという気持ちで立ち向かっているのである。

僕は自分はBloggerであると自認しているが、同時にいまだ起業家でありたいと願っている一人である。だから、Blogに書くと同時に、自分が書いた世界をリアルワールドにおいて実現してみようとトライしている。
多くのBloggerがWebに参加するようになったことは素晴らしい。後は、それぞれが所属している世界、分野において、それぞれの2.0を目指すためのリアルな活動も必要になってきている。そう思うのである。

日本の経営者の中で最も尊敬する一人であるソフトバンクの孫さんは毀誉褒貶の激しい人だが、前にも書いたように、彼がYahoo! BBの立ち上げをして、社会問題になるほど強引な勧誘活動を展開してくれなかったら日本は世界一のブロードバンド大国にはなれなかった。ビル・グロスがOvertureを、ペイジとブリンがGoogleを起こさなかったら、検索ビジネスはいまだに儲からず、結果としていまほど進化していなかったかもしれない。要は変化というものは多分に属人的なのだ、要は自分次第だしあなたがその変化にコミットするかどうかの問題なのである。


[付録]
アメリカの若手VCらしき方が、COLLECT 2.0(笑)として、さまざまなWeb2.0的企業をBlogに掲載している。この中でいう"2.0"とは僕のこのエントリーでいう1.0→2.0のそれとは意味が少し違うが、それはそれ。実はFeedpathもきっちりRSS2.0というカテゴリーで紹介してもらっている。Feedpathは、日本語・英語の切り替えが可能だが、こうしてとりあげてもらっている理由はそれだけではない。サービス自体がWeb2.0に即したコンセプトで成り立っていると、認めてもらっている証拠であると自負している。

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