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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

今回の地震に対する生保会社の対応とその教訓

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今回の大地震の被災者に対して、3月13日に生命保険会社から救済措置の発表
がありました。
以下抜粋します。

生命保険各社は被災者が申し出れば、保険料払い込み支払いを最大6カ月間猶予することを決めた。
保険金支払いの請求をする際の提出書類についても簡略化する。
保険証券を紛失しても免許証など受取人の本人確認ができる書類があれば、支払い手続きを進める。

「保険料払い込みを最大6カ月猶予する」とありますが、通常保険料の払い込み
猶予期間は1カ月です。
銀行口座引き落としの場合、例えば毎月27日に引き落とされる3月分の保険料
が引き落としできなければ、翌月の4月27日に2カ月分引き落とされます。
(これを併徴といいます)
3月分の保険料の猶予期間は翌月の4月末日ですので、銀行口座に2カ月分の残高
があり併徴されれば問題ありません。

しかし、併徴されず月をまたげば未納期間が3ヶ月目に入り、生命保険契約は「失効」
してしまいます。
「失効」とは文字通り保険契約効果が失われてしまうことですので、3月分の保険料
が4月末までの支払われてなければ、今回の災害で亡くなってしまった方の保険金が
出ないことになってしまいます。

「失効」から3年以内など(保険会社によって多少異なります)の一定期間に、解約
手続きをしていなければ「復活」は可能ですが、改めて健康状態を告知する必要が
ありますので、万一当初の生命保険加入から現在までに罹患していたりすると「復活」
できないか、できても条件(保険料割増や保障のカットなど)が付いてしまう可能性
があります。

6か月猶予ということは、3月分の保険料が引き落とされなかったとして、9月末
までにその間のの保険料を支払えば、無条件で保障は継続できることになります。

また、この3月から9月までの間に「保険事故」つまり死亡やケガなど保険適用と
なった場合も、保険料を支払っているものとして対応するということになります。

「保険証券を紛失しても免許証など受取人の本人確認ができる書類があれば、支払い手続きを進める」とあります。
読んで字のごとくなのですが、これに関連して保険商品管理のコツをお話します。

保険証券はいざとなったらどこにあるのかわかりませんよね。
自動車保険などは損保系は毎年更新が多いので、その都度保険証券が送られて来たり更新の手紙が来たりします。
しかし生命保険については、毎秋「保険料控除証明書」が来るだけで毎年の更新
手続きはありません。

きちんと保険証券を管理している方でも、今回のような災害に遭うことも考えて
「証券番号」は手帳に書き写しておきましょう。
保険者や代理店の立場からすると、名前と生年月日と「証券番号」が一致すれば
本人確認が終了です。
再発行が必要な場合でも「証券番号」がわかっていればスムーズに行きます。

自動車保険用に、事故発生時の連絡先や「証券番号」が記載されている財布に入る
カードがありますが、それと同じように生命保険も「証券番号」を常にわかるように
しておいた方がいいのかな、と今回感じて早速手帳に書き込みました。

また住所や連絡先など変更事項があった場合もマメに修正して下さい。
現状と記載事項が異なると、「証券番号」がわかっても手続きがスムーズにいかない
ことがあるかもしれません。

 

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