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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

被災者の「生保の特約全額支払い」がなぜニュースになるのか?

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3月12日の共同通信にて、今回の東日本巨大地震の被災者に対して大手生保が
「特約の全額支払いを実施する」と発表がありました。
ここで言う「特約」とは「災害割増特約」や「傷害特約」など不慮の事故に関するものです。

「災害割増特約」とは、例えば通常の生命保険金が3千万円だとして、特約
として災害で亡くなった場合さらに3千万が上乗せされる内容です。
つまり、病気でなくなった場合は3千万円、災害でなくなった場合は6千万円
の保険金がもらえるということです。

「傷害特約」とは上記と不慮の事故から180日以内の死亡(災害保険金)や、
それを原因とする障害(障害給付金)について保険金が支払われます。

これだけ読むと「今回の地震の被害にあった方であれば、普通に対象になり
保険金や給付金がもらえるのは当たり前だろう」
と感じたと思います。
しかし、これがわざわざ大手生保が発表して共同通信が配信して、nifty
ではトピックスになっていました。

なぜでしょうか?

これらの約款には各社異口同音に「地震、噴火、津波、戦争などの場合災害
保険金支払われない」
とあります。
大規模で急激な災害による死亡等は、ケースによっては保険会社のシステムや
準備金に多大な影響を及ぼすことがあり得るので「地震、噴火、津波、戦争」
を原因とする災害割増などは免責(支払いを勘弁してもらう)事項にしている
のです。

ご存じでしたか?

この免責が適用されたとすると、上記で説明した「通常の生命保険金」は支払わ
れますが災害割増特約や傷害特約の部分は支払われないことになります。

しかし今回の地震については、本来免責されている保険会社が災害特約の保険金を支払うと発表したのでニュースになったのです。

それともうひとつ「災害割増特約」で留意して欲しいことがあります。
「俺の保障は1億円だ」と威張っている方の保険証券を見ると、そのうちの半分
は「災害割増特約」
であったることがしばしばあります。
ご本人はとにかく死ねば1億円が家族に残るという認識で、見直しなどまったく
不要と頑なでしたが、何とか見せていただき(職場の世話になった先輩だったの
で)事実を告げるとかなり驚いていました。

今回のような大災害に遭遇することも含めて、交通事故やその他の不慮の事故
に遭う可能性はどのぐらいだと思いますか?

50%、30%、10%・・・・ではありません。

概ね死亡も入院理由も災害や不慮の事故を原因とするのは5%程度です。
大規模な災害や悲惨な交通事故や飛行機事故、またはテロに巻き込まれたりする
事件は大きくニュースとなりますので皆さんの脳裏に鮮明に焼き付きますが、
95%のほとんどの方々は人知れず罹患して病気で亡くなるのですね。

災害割増や傷害特約の保険料はそれほど負担にならないので付加しても問題ない
と思いますが、死亡原因によって保険金額が変わることは強く認識しておいていた
だいた方がいいと思います。

そして今回のような大規模な災害においては、災害割増特約や傷害特約は前提と
して(約款上は)支払われないことも認識して下さい。

しかし、今回は「生保の特約全額支払い」となって本当によかったですね。

 

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