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インバウンド消費総額欄で9位 札幌市白石区 の謎の答えはあの本社

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訪日外国人観光客によるインバウンド消費が日本の経済的に無視できないほど目立つ昨今、市区町村別のランキングで、札幌市では中心部の中央区を抜いて札幌市白石区という周辺部が堂々の9位に入っていて、それはナゼと話題です。

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(写真は、日経新聞8月4日付の「チャートは語る・インバウンド」の消費総額欄)黄色のマークは筆者

元は日経新聞の有償記事(登録で月に10記事までは無償で閲覧可) 「訪日客は西へ、消費は東で 3人に1人は大阪・中央区へ」チャートは語る インバウンド です。消費総額としては東京一強で、東京都渋谷区が図抜けていて、東京都の都心の区が並び、10位以内に入る西日本の市区町村は大阪市中央区のみです。そういうランキングの中で異色を放つのが札幌市白石区というわけです。

市区町村ランキングの謎は、大規模チェーンや通販会社の本社にあり

そういう謎のランキングなのですが、そういう直感に反するランキングの撹乱要因としてまず考えられるのが、大規模チェーン店や通販会社の本社です。あちこちでの購買額を計上する上で店舗ごとや通販会社の送付先ごとなんていうわけにはいかないので、本社所在地に計上されて実感と異なるランキングができるという次第です。

そこで、札幌市白石区のWikipediaを見てリンクをたどると、多分これだろうという答えが見つかりました。

イオン北海道株式会社 本社所在地 札幌市白石区本通21丁目南1-10

一番考えられるのが、このイオン北海道でしょう。イオンについて、北海道は別会社なので北海道中のイオンのインバウンド消費額が、札幌市白石区として計上されたら、トップにはいる要因になりうるでしょう。北海道のスーパーストアラインキングで1位は (生協)コープさっぽろ 2884億円 に次ぐ2位が イオン北海道で2031億円の売上があります。(帝国データバング2016年度ランキングデータ

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地理と経済データは面白い

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補足(日経新聞でのデータ説明):

消費データはジェーシービー(JCB)のブランドで主に中国で発行されたクレジットカードの日本での利用実績。18年の履歴で利用者は延べ約370万人で、消費総額は約600億円。中国人客の影響が出やすいが、他社の過去データと比べても傾向に大きな違いはみられなかった。

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