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Amazonの賢いビジネスモデル ~ ローテクで稼ぎ,ハイテクに挑む

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Amazonと言えばKindle,電子書籍リーダーにおけるApple最大のライバルだ。

などというイメージが強かったが,実際のビジネスはハイテク分野ではない「モノ売り」で着実に成長しているようだ。

それをあらわすのが2004-Q2から2010-Q1までの月売上推移グラフだ。

Amazon1
【出所: BUSINESS INSIDER】

Amazonの売上は,Media(書籍,音楽等)販売とThe Rest(家電等一般製品)販売で区分されているが,この図の通り,急成長しているのはThe Restの方,品目で言うとTVや靴などの消費財なのだ。

そして直近四半期,2010年第一四半期(1月~3月)では,Media売上が35.1(億ドル)なのに対してThe Rest売上が3.7(億ドル)と,ついに四半期ベースでAmazon創業来はじめてモノ売りが上回る結果となった。

それを裏付けるのが次のチャートだ。

Amazon2
【出所: BUSINESS INSIDER】

この図は,北米市場における,Amazon売上(北米),ネット小売業売上(米国),リアル小売業売上(米国)の伸びを比較したものだ。

2003-Q1を基準値(100%)とすると,リアル店舗売上がほぼ横ばいなのに対して,ネット売上は300%近い伸びを示しているが,Amazonをそれを遥かに凌駕し,7年間で売上を4.5倍(買収企業売上分も含んでいるので単純比較はできないが)にまで成長させている。

一般消費財小売の方が流通コストがかさむため,配送費などで規模のメリットが効かせ易いことがあるのだろう。つまりAmazonは,ローテク分野で「金のなる木」を確立し,ハイテク分野で最強企業(Apple,Google等)と「花形」争奪戦を繰り広げるという,教科書どおりの戦略をとっているわけだ。(参考: PPMマトリックス
Ppm

すでに米国ネット小売業(約1400億ドル)においてAmazonは15%もの巨大シェアを持つにいたっており,日本でも楽天との激しい戦いが繰り広げられている。推定(TechCrunch記事)だが国内でも楽天総売上の70%にまで達している可能性があり,今後のさらなる激戦が予想されけている。

先日,楽天は自社物流拠点を整備し,ネット通販を即日配送する方針を発表(日経新聞記事)した。米国では敵なし状態のAmazonだが,今までの身軽な経営スタイルを大きく変換させた楽天が彼らに一矢報いることができるのか,大いに注目したい。


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