社内SNSが”ウケ”ている”ワケ”
”最近の大手企業は社内SNSを入れているというのは本当?”
答えはYES!
幾多の社内SNSの導入に関わっていくうちに、「一定の型」とも言える現代企業の課題と解決法が浮き彫りになってきた。
企業として取り組むべき課題があり、その解決法として社内SNSが最適であるという例が数多くある。その課題とは各企業によって様々だが、社内SNSは各問題に合わせ柔軟に変化、対応ができる新しい使い勝手のいいソーシャルテクノロジーであると考えられる。今回はNTTデータのNextiの事例を取り上げてみる。
NTTデータの社内SNS、Nextiは大企業病である「セクショナリズムの打破」を目的とし、有志によるボランティアチーム”リスペクターズ”がボトムアップで経営陣に提案し、わずか2ヶ月という準備期間でオープンし、口コミだけの招待制に関わらず1週間で2千名を突破するという驚異的なスピードで成長した社内SNS。5つのSNSベンダーから弊社を選定、ここでは「シングルサイン音」「実名制対応」「プロフィール項目の追加」「デザイン一部変更」というシンプルなカスタマイズを実施。まず、ビジョンを確実に浸透させるために「こころざし」という思いを綴った文書を掲載し、ユーザに運営ポリシーを違和感なく認知させ、利用規約はたったの3行でまとめた。
~私たちはこんな人にNextiを使ってもらいたいとおもいます~
たった3つにしたのは
一人ひとりにじっくり意味を考えてもらいたいから。
規定でガチガチにしばるのではなく、これらをまもれる人にだけNextiを使ってもらいたいから。
Nextiのメンバーである前に、
人として、NTTデータグループの社員として恥ずかしくない人を仲間と呼びたいと思います。
互いにリスペクト(尊敬、尊重)できる人
“自分ごと”で考え、一人称で語り、自分の行動に責任を取れる人
Nextiを通じて、気づきを得、何かを生み出せる人
出典:NTTデータ流ソーシャルテクノロジーP.65
そして、「Q&A」機能なども使われ、あっという間に口コミで参加者が増え続け現在はなんと約1万名、コミュニティ数は1000を誇り、3年経過した今でも多くの社員がアクセスしているという。結果として当初の目的以上に成功を収め、更にはグループ展開が始まり2009年12月時点ではグループ会社9社が正式に参加している。
「進化する企業のしくみ」でもNTTの宇治則孝氏が書かれているが、企業間においてもITの進化が“異業種格闘技競争”(バーリトゥード)を生んでいる。アップルが音楽業界や携帯業界に参入したり、セブン銀行などコンビニ業界が銀行を始めたり、JR東日本のSuicaがクレジットカードに変わる存在になっていたり。
つまり今迄は自分の業界内だけで頑張っていればよかったが、これからは全く予想していない業界から新規プレイヤーが参入し、勢力図を定期的にひっくり返す現象が各業界で起きる。そうなると大企業が生き残る術として時代の流れに柔軟に対応していくしかない。社内SNSは企業にとって神経回路のような働きをする。ソーシャルテクノロジーを活用することによって幾多の細胞がつながり、1つの集合体として結束する。結果として企業における社員総力を結集させ、企業が短期間で変化することが可能になる。
私は現在のパラダイムシフトに大企業が対応する秘密兵器が社内におけるソーシャルテクノロジーの活用だと思う。
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NTTデータ流ソーシャルテクノロジー Nexti運営メンバー有志 リックテレコム