Sunとキャピタリズム
»
先週、Cnetの取材によってScott Mcnealyが社員に送った別れのメッセージが明らかになりました。
その中で彼は、28年間に渡るSun社員との仕事や生活、会社の貢献や技術の先進性などに触れてノスタルジーに浸る一方で、キャピタリズム=資本主義によってもたらされた今回の結果を受け入れたいと述べています。その理由はScottはキャピタリズムの信奉者であり、稀代のキャピタリストであるLarry Ellisonが名乗りを上げたのだから・・と説明しています。
この「キャピタリズム=資本主義を信じる」と述べた箇所は実に印象的です。
Sunは固有の技術の対価によって資本を蓄え他を吸収することを成し遂げてきた、まさに資本主義の申し子であるわけですが、記者が暗に指摘しているように、Scottの過ちは近年、イノベーションの方向を誤り、資本を減らす方向に向かわせてしまったことなのでしょう。
そして、最終的に他社(Oracle)によって買収されるという結末も、皮肉でありながら、資本主義という米国の頑強なルールにのっとった結果です。
ScottはSunのトップである以上に、キャピタリズムという必勝劣敗のルールが浸透した米国の一市民であるのだと自身を納得させているようで、物悲しくもあり、誇らしげでもあります。
SpecialPR