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LinkedInで見る「鎖国」する日本 ― でも、世界で輝く日本人は確実に増えている

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LinkedInの会員数マップを眺めていて、ふと手が止まった。全世界で13億人以上、200の国と地域に広がるこの巨大な人材プラットフォームで、日本の数字だけが妙に小さいのだ。

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数字が語る「日本の異常な低さ」

まずは会員数そのもの。アメリカが2億6,100万人以上、インドが1億8,600万人以上、ブラジルが1億100万人以上と、大国が上位を占めるのは順当だろう。しかし総人口に対する比率で見ると、風景は一変する。

会員数 総人口比(概算)
アメリカ 261M+ 約78%
UK 47M+ 約69%
オランダ 13M+ 約73%
フランス 38M+ 約56%
フィリピン 21M+ 約18%
インド 186M+ 約13%
韓国 5M+ 約10%
日本 5M+ 約4%

欧米諸国が軒並み50〜80%という「ほぼ飽和」の水準にある一方、日本はわずか4%程度。これはインド、インドネシア、フィリピンといった新興国よりも、韓国という近隣の先進国よりも低い数字だ。経済規模を考えれば、これは明らかに"異常値"と言っていい。

なぜ日本だけがこんなに低いのか

理由はいくつか考えられる。

一つは、終身雇用・年功序列という雇用文化。「社外に自分のキャリアをアピールする」動機がそもそも弱かった。二つ目は、実名・経歴を公開することへの心理的ハードルの高さ。「転職活動が今の会社にバレるのでは」という懸念は根強い。三つ目は、リクナビ、マイナビ、ビズリーチ、Wantedly、Eightといった国内サービスがLinkedInの機能を分散して代替してしまっていること。そして四つ目、これが個人的に一番気になるのだが、「発信文化」の弱さだ。

「発信できていない」ことへのもどかしさ

誤解のないように言っておきたいのだが、一つの会社に長く勤め上げ、高い貢献をして社会を良くしていくという生き方は、決して否定されるべきものではない。むしろ日本人の仕事への向き合い方――細部へのこだわり、強い責任感、そして「普通の人」でも高いプロ意識を持って大仕事をやり遂げる姿勢――は、世界に誇っていいものだと思う。

実際、"Kaizen(改善)"や"Monozukuri(ものづくり)"、"Omotenashi(おもてなし)"といった言葉は、そのまま英語圏のビジネス書やマネジメント論に取り込まれている。日本発の仕事哲学が評価される土壌は、間違いなく存在するのだ。

問題は、それが「個人の言葉」として体系的に発信されていないことにある。日本の強みは「組織としての質の高さ」に集約されがちで、現場の名もなき一人ひとりのプロ意識の集積が結果を生む構造そのものが強みだ。しかしそれは同時に、「誰が発信するのか」が曖昧になりやすいという弱点も生む。個人の実績・個人のブランドを前提に設計されたLinkedInというプラットフォームとは、そもそも相性が良くなかったのかもしれない。

それでも、世界で輝く個人は増えている

一方で、明るい兆しもある。大谷翔平選手のように、実力一つで世界のトップフィールドに躍り出る日本人が少しずつ増えてきた。サッカー日本代表に至っては、主力のほとんどが欧州のクラブに所属している。彼らに共通するのは、「日本の中で完結する」のではなく「世界基準で自分を試す」という選択をしたことだ。

スポーツの世界では、実力がタイムや得点という誰の目にも明らかな形で証明される。一方でサラリーマンの実力は、多くの場合「所属している会社の看板」や「日本語でしか読めない実績」の中に埋もれてしまい、海外からは"見えない"ままになっている。大谷選手のような「越境する個人」がビジネスの世界で増えにくい一番の理由は、この実力の可視化と翻訳がされていないことにあるのではないか。

LinkedInという手段は、もう用意されている

だからこそ思う。日本人サラリーマンにも、大谷翔平選手やサッカー日本代表選手たちのように、世界のフィールドで活躍する人がもっと増えてほしい。そのための手段は、もうLinkedInという形で目の前に用意されている。

もちろん、これは「個人プレーで目立て」という話ではない。日本の美徳を損なわずに世界に伝える発信の仕方は、いくらでもある。

  • プロセスや哲学の言語化 ―― 「なぜこの品質にこだわるのか」を説明する投稿は、自慢ではなく知見の共有として受け取られる。
  • チームの物語として語る ―― 個人の手柄としてではなく「私たちのチームがこうやって成し遂げた」という語り口は、日本人にとって心理的ハードルが低く、海外の読者にも新鮮に映る。
  • 英語での発信 ―― どれだけ優れた内容でも、日本語だけでは海外のLinkedInユーザーには届かない。ここが最大のボトルネックかもしれない。

企業側にできることも大きい。個人任せにするのではなく、企業ページや社員インタビューという形で「現場のプロフェッショナリズム」を発信していく。それは日本的な組織文化とも整合性が取りやすいはずだ。

おわりに

LinkedInの世界地図で見えた日本の"鎖国"のような低い数字は、裏を返せば伸びしろの大きさでもある。日本人の仕事に対する素晴らしい姿勢――細部へのこだわり、責任感、「普通の人」が発揮する高いプロ意識――は、世界に発信されるべき価値だ。大谷翔平選手やサッカー日本代表がピッチの上で証明してきたように、次はオフィスの中から、もっと多くの「個人で世界に輝く日本人」が現れることを期待したい。手段は、もうそこにある。


本記事は、LinkedInの公表する会員数データ(1.3億人以上・200の国と地域)をもとにした考察です。人口比は各国の概算総人口を用いた試算であり、正確な比較には各国統計局等の公式データの参照を推奨します。

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