iPhoneでアバターに旅をさせる「TRAVATAR」(トラバター)を楽しむ
位置情報を用い、すれ違い通信(といっても、実際にはサーバ経由で移動する)で 近くの人とアバターの交換を楽しむ「TRAVATAR」がAppStoreで公開され 人気を呼んでいるようだ。(iPhone/iPod Touch 対応 OS3.0以降)
●TRAVATAR
アプリ公式サイト
位置情報に関連した研究を行っている関係上、こういったサービスは見逃せない。
どんなアプリ?
GPSとWiFi位置推定を搭載する iPhoneならではのアプリで、 自分が選んで名付けたアバター(自分の分身)を、他のiPhoneに 送りこんで旅をさせるのを楽しむことができる。また、他人のアバターがトモバターとして 自分のiPhoneに送り込まれてくる。
受けてる理由は?
無料で公開されているにもかかわらず、グラフィックが秀逸で、かわいい点。 アバターに旅をさせる、というコンセプトも斬新である。また、自分のアバターが次々と移動していく様も、リアルタイム感があって良い。
アバターがどこまで遠くに行くのか、といった楽しみ方や、トモバターの移動経路を 見るのが楽しい。
アバター交換の原理は?
「すれ違いで通信」という説明では、iPhone間が直接通信しているように 思えるが、実は、サーバ経由での通信を行っている。位置情報が近いもの同士で アバターが移動した、ということにしているようだ。 (あくまで推定。誤りがあれば、指摘されたい)
Nintendo DSの「NintenDogs」や「ドラゴンクエスト9」等で有名になった「すれ違い通信」とは異なる点に 注意されたい。
安全なの?
位置情報を送っている、という意味では、プライバシの懸念が無いわけでは
ないが、アバターはニックネームであるし、基本的に他人の iPhoneを渡り
歩くだけで、その位置は個人に紐づいているわけではないため、
現状では問題ないであろう。
(アバター名に実名や推定されやすい名前をつけるのはまずいのは当然として、
自宅ではじめて起動するとアバターの移動始点がわかってしまう可能性がある。)
ただし、運営会社はすべてのユーザの位置が把握できるため、今後、どのように
利用するか、は別問題である。
(2009/11/13 追記:なお、TRAVATARのAppStoreでの説明には「個人の特定を防ぐために意図的に地図上の表示をずらしています」という記載がある。)
現在の状況は?
AppStore での上位アプリは、現時点では1日数千ダウンロードと予測できる。この2日で
一万ダウンロード程度であろう。(あくまで予想です。)
このペースでユーザが増えると、サーバ側の負担も相当である。実際、11月12日現在、
すでにサーバ側には大きな負担がかかっているようで、
開発者のTwitter アカウントでは、
その状況が報告されている。
サーバの増強を進めていることが想像できるが、当初から想定していない場合、 この負荷をさばききるのは大変であろう。また、公開当初の嵐が過ぎた後、どのように維持するか、といった点も問題であろう。
こういったユーザベースで負荷が大きくなりがちなサービス開始時には、Amazon EC2等の
クラウドの利用が必要かもしれない。
アプリの構築の時点で、サーバにやさしい設計が必要となるかもしれない。
今後の展開は?
自分のアバターに旅をさせる、というコンセプトは斬新であり、様々な応用が 期待できよう。自分のアバターが、他店からメッセージを受けたり、 他のアバターが地域の宣伝を持ってきたりすることで、位置情報ベースの広告応用も 可能であろう。(実際に、複数の提案型サービスが動いており、アバターから提案される事を確認している。)
今後も注目していきたい。
関連リンク
Buzzter によるTwitter 上でのトラバター盛り上がり状態
Ascii.jp: iPhoneで「すれ違い」が楽しめるアプリ、Travatar
Internet Watch : やじうまWatch: すれ違い通信風の遊びがiPhoneで実現「TRAVATAR」が人気
iPhoneアプリ「TRAVATAR(トラバター)」で気になるあの人とすれ違い通信
iPhoneからiPhoneへ”渡り歩く”アバター「TRAVATAR(トラバター)」(THE SECOND TIMES)