提供しているものは時間か価値か?サイボウズのウルトラワークで思うこと
時間・場所を越えたコラボレーションを可能とするITサービスを提供する企業として、事情のある一部の社員だけでなく、全社のワークスタイルを変革することにしました。「チーム」「個人」両方の生産性を向上するため「ウルトラワーク」という時間や場所の制約のない働き方を試みます。
これまでも短時間勤務や、月4日までの全社員対象の在宅勤務制度、最長6年の育児休業など働き方の多様性を追求してきていますが、今回はネーミングがウケたのか話題になっている率も高いようです。
IT企業はともすると、「ツールをどう使うか」から入ってしまう傾向がありますが、特に時間と場所の制約を超えた非同期の情報共有ツールであるグループウェアの効果が最大限に発揮されるのは、時間と場所の制約を超えた働き方をする場合です。
ツールがあるからやるのではなく、働き方を変えたほうが会社が成長できそうだから変える。そのためにグループウェアが必要というのが順序であって、自分たちで実証しようぜ!という試みです。
ご興味のある方は、今後の成長(できたらいいけど)を生暖かく見守っていただければ幸いです。
ところでこのニュース、Twitterやfacebookを眺めていると、賛否両論のご意見があるようですね。
「うらやましい」が一番多いのですが、「24時間社畜へ一直線」っていう感じのもあります。
一応、中の人として雰囲気を申し上げますと、今週に入って先週と違う働き方をしている人はそんなに多くはありません。中にはミーティングなどの制約でやりたくてもできないという人もいますが、時間と場所を「縛ってほしい」という社員は実は意外に多いのです。
で、実際前からウルトラワークのような働き方を実践している私としても、この制度が走ったらといって、全然会社に来なくなるかというと、そういうことはないです。
ちなみに時間と場所が自由とはいっても、日本の法律では一日の労働時間は裁量労働の場合でも決まっていますし、自分のアピールもそれなりにしないと印象が悪くなって評価に響くかもとか思いますから、何もなければ普通は会社に来ます。
もちろん社畜とは思っていませんが・・・。
労働者の権利がどうとか、管理者の仕事がどうとか、評価はどうするとかいろんな観点での議論はあると思いますが、会社は営利を追求する組織であって、売上の中から給料が出て、赤字だとみんな苦しくなって、潰れたら全員解雇で株券は紙くずです。
サイボウズ程度の大きさの会社では、日頃からの情報共有や情報公開の賜物でもあると思いますが、動きの早いIT業界にあってその簡単な原則が社員から見ても極めて分かりやすいです。
どんな働き方をしようとも、結局はいいもの作って売上あげなくちゃ明日はないよね!という視点が共有されていれば、いかにして価値が上がる働きができるかをみんなが追求することを考えたほうがいいんじゃないかと思います。
グループウェアは、連絡や労務管理の観点でももちろん有用ですが、そんな働き方に対しての視点の共有にも役立っていると思います。