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悩める中小企業経営者に向けて、ITと経営をいっしょに食べてやさしく噛みくだく試み

ワークライフバランスって、ハードワークを否定するものではないでしょ!

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日経MJに「ハードワーク かっこいいぜ!」みたいな記事が出て、日経さんが狙ったのかどうかはわかりませんが、ネット上に反響が続々です。(リンクの他にもいろいろ探すと出てきます)

・昨日の日経MJ。社畜をオシャレっぽく書くなよ。

・労基はどこへ消えた

・うわあ...これは本当にクソですね

もちろん中には肯定的な意見もありますが、どちらかというと否定が多いという感じでしょうか。
私としては、かっこいいと思う人もいれば、そう思わない人もいて、だからこその多様性と思ってます。

どう感じるかは個人の自由ですが、会社が儲からないと給料が上がらず生活が苦しくなるので、給料の分配装置という側面で会社を見れば、儲かっている会社に勤めたいはず。

ワークライフバランスとか、テレワークとか新しいワークスタイルとか、そういうタイトルでセミナーをすることが増えてきましたが、「そんな働き方をすると会社が儲からなくなる」という経営幹部の誤解と、「そうそう、みんな働き過ぎだよ、もっと欧米のようにアフター5を充実すべき!」というご意見の両方をいただきます。

特にテレワークについては、在宅勤務とセットで語る時が多いので、「会社に来られない妊婦のための福利厚生施策」と決めつけられてしまう時すらあります。

グループウェアは福利厚生にも利用できますが、導入した企業には儲かって欲しいわけでありまして、利益を損なってまで福利厚生を充実して欲しいわけではないです。

ワークスタイルは働き方全般、ワークライフバランスはオンとオフのバランス、ダイバーシティは多様性、ノマドワークは場所に縛られずに働くこと、テレワークはその手段のことです。
似たような言葉がいっぱいあるので頭がこんがらがって来るのと、今までの働き方の否定という面で、長時間労働と体育会的集団行動の否定と十把一からげに捉えられがちなのですが、そんな短絡的な話ではないですよね。

簡単に説明すると、

・今までの日本企業の強さは護送船団方式でみんな一緒なことを一生懸命やる形式のチームワークで作られたもの
  ↓
・失われた20年は、円高や人件費の上昇、豊かさの中でハングリー精神を忘れて、強みが生かせなくなったため
  ↓
・均一の価値観で全員頑張る形式ではもう勝てないし、少子高齢化が進めばなお単純作業効率は落ちる
  ↓
・新しい価値を作り出す必要があり、そのためには多様な価値観を生み出すことが有効らしい
  ↓
・多様な価値観は、多様なワークスタイルから生まれやすいようだ
  ↓
・少子高齢化、核家族化、多様な価値観、テレワークツールの充実で、新しいワークスタイルが有効そうだ!

という話ではないかと思います。
そして、もちろん家でのんびり好きなときに仕事して、全員がほどほどに働くというので会社が成り立つほど、今の世の中は甘く無いでしょう。

ハードに働いてバンバン稼ぐ人がいれば、ちょっと違う風にふれて新鮮な価値観を会社に持ち込む人がいて、いろんな人が揃って会社を変化させながら経営スピードを増してゆくことが必要なわけで、つまりはハードワークもソフトワーク(って言うのか?)も両方認めて、アウトプットに見合う給料をみんなもらえばいいじゃん!ってことがワークスタイルの多様性ではないかと思うんですね。

昔はそれがやりにくかった。でも今はグループウェアとかありますからそれができますよ!


ちょっと関連してですが、サイボウズの働き方について副社長(人事責任者)の山田がチームワークについての最近の心境の変化?をブログに書いています。こちらもよかったらご覧下さい。


※追記

そうそう、ハードワーク=社畜って思う人は、ワークスタイルの多様化を認めないという点で、ある意味全体主義的であって、そういう人だけが集まっても、新しい価値観が生まれる儲かる会社にはならないと思うんですよね。

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