旧世代の知識を教えることは親切よりもむしろ罪かも
先日、息子(中二)の携帯がとうとうiPhoneになりました。
最初のセッテイングだけ、私にしては手取り足取り教えましたが、その後放置しておくこと数日、どこで調べたのか教わったのか、トップ画面はすっかりアイコンに埋め尽くされています。
さすがに覚えが早いですね。
その前は普通の携帯だったので、地図や写真などはノートPCを引っ張り出していろいろやってました。
が、私に似ずさしてITに興味がないようで、覚えない覚えない。
プリンタでの印刷やサイトのフラッシュのアップデートなど、結構基本的なこともいちいち聞いてくるので、教えるのが苦手な私は正直、ちょっと面倒という感じです。
しかし、iPadとiPhoneにかんしては、ほとんど何も教えずにいろいろ使いこなしているようで、UIとかUXってやっぱり大切だよなあと改めて思います。
で、ふと考えたのですが、中古のPCやその他の端末(初期のAndroidとか)の価格がずいぶんと下がって、少なくとも外見は非常に立派なハードがとても安く変えてしまうのですが、旧端末のメンテナンスコストってどうなんだろうと。
企業などで使うアプリやシステムを制限して、一括セットアップとマニュアル的な使用法なら有効だとは思いますが、例えば定年後の趣味でそういう端末を買うと、使いこなすのにずいぶんと面倒ではないかなと思います。
普通に売っているSDカードの容量が読み込めなかったり、DVDのコピーガードなんかが邪魔をして、地デジの録画がPC、で見れなかったり、最新のバージョンアップをすると動作がおかしくなったり、考えてみると自分でさえ家のPC(7年もの)のメンテナンスには年間結構な時間を割いています。
文系とはいえ、IT企業に務める私ですらこんな調子なので、年配の方にとっては、古いPCを使うとかえってIT嫌いになったり、無駄な時間を費やしたりする可能性が大きいような気がしてきました。
その辺のことを改めて思ったのが、ノークリサーチより出ている
「2011年中堅・中小企業におけるスマートフォン/タブレットの活用実態と展望調査報告」 (PDFファイルです)
これらの結果から、社内向けのスマートデバイス活用を広く活性化させるためには企業規模によらないスマートデバイスなら ではの活用シナリオを提示していく必要がある。また、「端末の購入コストが負担である」や「端末管理コストが負担である」と いった回答割合が目立つ一方で、「ノートPCで既にニーズは満たされている」という回答も多い。従来型の携帯電話と比べた 時の「画面の見やすさ」や「入力のしやすさ」をアピールするだけでは「ノートPCの持ち出し」との差別化が難しい。むしろ端末 を新たに購入するための費用やスマートデバイスに固有のセキュリティ管理などが必要になるだけ負担は大きくなる。
アンケート結果の数字自体は肌感覚とそんなに変わらないのですが、PCの代替えをさせようとするのに、タブレットでは役不足というのが目に止まりました。
以前のブログでも書いたのですが、タブレットはPCの代わりにはなりません。
特性がそもそも違うので、特性を理解した上でタブレットを活用するように業務を設計すると、業務も教育も驚くほど簡単に変わってゆくような気がします。
そこに想像を至らせないのは、おそらくは我々ベンダー側の啓蒙不足というか、私達自身の想像力がPCでやる業務の域を超えていないのだと反省させられます。
新しい仕事のスタイルを我々自身がもっと挑戦して、創造して、実践していかないといけないのだろうなあと改めて思います。
モノを大切にすることも大切ですし、端末のコストダウンももちろん大切ですが、業務や生活全体を変えたり、総コストを下げることがやはり大切ですから、安いからという理由で旧端末を使わせたり、古いやり方を今から教え込んだりするのもある意味、罪なときもあるなあと思いました。