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悩める中小企業経営者に向けて、ITと経営をいっしょに食べてやさしく噛みくだく試み

ユーザー目線でクラウドを語れば、サーバーがたとえ社内にあってもいいんじゃないの?

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クラウドコンピューティングを検討するのは、普通は情報システム管理部門になります。

なので、クラウドの営業では、「サーバーがネット上にある」とか、「管理運用を情シスがしなくてもいい」とか言うことが前面に出ていることが多いようですね。

しかし、クラウドがこれだけ騒がれている理由は、単に費用や管理工数の問題ではありません。
クラウドの魅力を一言で語ると、

「企業活動に必要な情報のやりとりを場所や時間に関係なくできることによる、組織や戦略、ワークスタイルの自由度の増加」

ということになろうかと思います。


例えば、

・縦組織ではなく組織横断のプロジェクトや組織をまたがったワークフローが自由に設計できる
  →組織編成の自由度の増大による企業戦略の柔軟性
・本店、支店といった拠点ごとの壁がなくなることで、情報格差や処理のタイムラグがなくなる
  →業務効率の向上と業務スピードの向上
・労働時間や場所における制約が無くなることで、多様なワークスタイルを実現できる
  →多様な戦力の活用と業務負荷の平準化
・情報流通が活発になり、部門や立場を超えての交流を促すことで、今までにないアイディアや企画が生まれる可能性が広がる
  →企業価値の向上

といった効果が見込めます。


上記に比較すると、実はITベンダーやSIerがセールストークに使う「サーバーコスト」や「管理運用コスト」というのは実は些細なメリットではないかなと思うのです。
cybozu.com(サイボウズのクラウドサービス)の導入状況を見ても、オンプレミス(社内でサーバー構築)の頃と比較して、経営者の方への提案や経営者自らによる導入が増えてきています。

しかしよく考えてみますと、上記のメリットを享受するためには、決してサーバーを雲の上におかなくてはいけないのかというとそういうわけでもないのです。
矛盾するようですが、クラウドコンピューティングでできることは、BCPなどの対策を除けば実はオンプレミスでも可能です。

ただ、その場合「時間と場所の制約をなくす」ことが絶対条件になりますから、いつでもどこからでも繋げることが条件です。
このあたり、管理者側とユーザー側ではやや受け取り方が違ってきまして、ユーザーにとっての「いつでもどこでも」は、社内であろうが社外であろうが、どんな情報でも同じ手間で入手できることが必要になります。

例えば、中と外で社内システムへの接続方法が違ったり見ることができる情報に著しい格差があったり、接続する回線の太さに制限があったりすると、それは「クラウド的」なシステムではないでしょう。面倒ですから。

東日本大震災のあと、東北地方のユーザー様をいくつも訪問させていただきましたが、残念なことに震災後サイボウズのグループウェアを活用できなかった例をたくさん聞きました。(もちろん活用できた例もたくさんあります、念のため)
中にはサーバーが被災したり、停電で使えなくなったという例もありますが、それより多かったのが、外部からの接続方法がわからなかったり、外部から見ることができるデータに必要なデータが無かったりといったものです。

もし次のリプレースでクラウド基盤の情報共有ツールを導入したとしても、このように社外から見るデータに制限がかかったり、社外からの接続方法が煩雑だったりする場合は、結局いざというときに使えないシステムになってしまう可能性は大有りです。

クラウドは目的ではなく、あくまで手段、企業価値の向上なり、多様なワークスタイルの実現なりの目的は、ユーザー目線で決めるものですから、経営者もコスト面だけを見るだけではなく、企業戦略上クラウド(的なもの)をどう活用するか、いっしょに考えていただきたいなあと思います。

で、その結果、まあ極論ではありますが、効果が達成できるのであればサーバーが社内にあっても「クラウド的なIT活用」と言い切っていいのではないかと思うのです。

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