ソーシャル時代のアクティブサポートは誰がやる?
コールセンターで働く人がどれくらいいるかは知らないのですが、わざわざ沖縄や国外にまで作っていることを考えると、日本語での需要だけでも十万人は超える相当な人数の方が従事されているんだろうなあと思います。
そのコールセンターの状況を取りまとめているコールセンター白書の執筆責任者の矢島さんは、実は私の大学時代の後輩でありまして、先日学生時代の仲間で集まる忘年会で会ったときに、ちょっとアクティブサポートの話題で盛り上がりました。
Twitterやfacebookなどで自社についてのつぶやきやクレームを上げている顧客を探して、拾いに行ってサポートやフォローを行うのが一般的に言われるアクティブサポート。これに対して従来の来た電話やメールに対してサポートを行うのがパッシブサポートです。
パッシブサポートの目的が主に顧客の不満を解消することにあるのに対し、アクティブサポートはパッシブサポートの予防的な役割の他に顧客満足度の向上を目的になります。
このように目的が違うので一概に比較はできないのですが、コールセンターなどに比べて投資も少なく、簡単に始められるはずのアクティブサポートなのですが、取り組む企業が驚くほど少ないのが現状です。
企業としての費用対効果から考えて、アクティブサポートはパッシブサポートの予防的な観点と、社会的な影響力がある(インフルエンサー)顧客にあたる率が高いので費用対効果が高そうに見えるのですが、なぜかという話で盛り上がっていたわけです。
サポート部門はコストセンターとして扱われている会社が未だ多数であり、サポート責任者は企業全体のイメージには責任を持たず(それはマーケティング部門)クレームの鎮火件数などだけに責任をもつため、サポート部門ではアクティブサポートをやっても部門の利益にはならない例が多いようです。
で、そうなると企業イメージ全般に関わるのはマーケティング部門や広報、広告宣伝部門なのですが、ここは従事する人数がサポート部門に比べると全然少ないので、やっぱりやりにくいということになります。
ソーシャルマーケティングに対応しなきゃと、多くの企業が躍起になっているにも関わらず、アクティブサポート一つやらない企業が、大枚はたいてソーシャルマーケを外注したりしているのはずいぶんと勿体無いというか、本末転倒な話ですね。
マーケはマスが相手、サポートはクローズドな個が相手、なんてとっくに昔の話です。
食べログでは(いろいろ問題もありますが)口コミ情報が個人によって書かれ、いい製品はブログやブックマークで瞬く間に伝搬します。そしてサポートでも何か問題があったりするとすぐに公開されマスが取り上げるようになってきました。
つまりクローズとオープンはつながり、1件のクレームとブランドもつながっています。
マスと顧客の対応さえもう区別を付ける必要がなくなってきたのかもしれません。
部門間の壁が一番大きな問題だと思うのですが、これを取り払うにはサポート、マーケ両部門の上に立つ企業トップの理解や覚悟なんでしょうね。
ところで、酔っ払いながらではありますが、どっちかというとコールセンター(サポート部門)の立場で話す矢島さんと、マーケ部門側に立って話す私の論点の違いが面白いなあと思いつつ、この続きをちゃんとやりたいなあと思って、職権乱用でうちのセミナーを使って、2人の対談を組んでみました。
基本的にはサイボウズのユーザー向けのセミナーだったのですが、話題が話題だけに特にユーザーさん向けでもないので、よろしかったら「こちらのフォーム」よりお申し込みください。
矢島さんと私は2年違いですが、サークルもゼミもいっしょで気心は知れているので、割と本音をぶつけ合う収集がつかない炎上対談になる可能性もあったりするかと・・。
■サイボウズセミナー「クラウド時代の企業サポートとは?」
■開催概要
開催日時:2012年1月23日 14:00~(受付13:40~)
開催場所:サイボウズ株式会社 本社(東京都文京区後楽1−4−14)
定 員:先着25名様
参加費用:無 料
■プログラム
第一部(14:00~14:50) 月刊コンピューターテレフォニー編集長 矢島 竜児氏
10年間の取材で分かったいいサポートセンターになるための5つの条件
第二部(15:00~15:50) サイボウズ株式会社 野水克也
日本一の顧客満足度を支えたもの
~星野リゾート事例とメールワイズ機能紹介を交えて~
第三部(16:00~16:50)
対談:ソーシャル時代のアクティブサポートをどうするか?
矢島 竜児氏、野水 克也
■お申し込み
こちらのフォームよりお申し込みください。
※しっかし、やじ(矢島さん)の顔写真フケているよなあ。コンタクトセンター白書の責任者っぽくはみえるけど。^^;