オルタナティブ・ブログ > 新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ >

~攻撃は最大の防御なり~正解のない対策を斜めから斬る

すべては「サービス道」に繋がっていると思う体験事例

»

「サービス道」とでも言うのでしょうか? どんな商売であれ、普段の行動であれ、無人島に1人で居る訳ではないので必ず「相手」がいます。バカボンパパの名言にもあるように「ママがいるからパパなのだ!」と一見当たり前のバカっぽく聞こえますが、パパという立場はママが居ないと成立しない関係性です。

相手がいるのだから、お互いに気持ちいい、気分の良い状態にしておきたいものです。

現業の情報セキュリティ以前に、13年間芸能人やVIP相手のコーディネーターをしていました。現場で失敗したことも多くありますが、肌で感じた究極のサービス業と思っています。この仕事、どちらかと言うと「その場主義」的な感覚で進めなければならず、現業のセキュリティをはじめた頃には、この感覚を使わないようにしていました。何かセキュリティと程遠い感覚、思い込みがあったからです。

しかし、この感覚がリスクマネジメントに通じるものだったことに気がつきました。その場主義といっても、どんな手を打たれても対応できる手数とアレンジ力が必要です。この身体で覚えた感覚は、常に動きながら考えるクセが付き、視点を変えてモノを見ることが染みつきました。

「見ないで飛び込め!」と恩師は言いました。

・・・で、サービス道の話ですが、 最近身近にあったことです。サービス業でも良いのかも知れませんが、プロである以上「道」を極めなければならないと思っています。

色々な「道」がありますが、サービスって言葉自体が抽象化しすぎているので、プロフェッショナルのサービスを「サービス道」とつけてみました。浅くも深くも捉えることの出来る、ゴールのない日々実践あるのみ!な「道」と感じています。

事例1.銀行で

銀行の窓口へ行ったときのこと。身分証明書の提示が必要と思い、「出しましょうか?」と聞いたところ、必要ありません。とのことだったので、そのまま待つことに・・・

銀行員:すみません、お客様と面識がないので身分証明書の確認がしたいのですが

わたし:ん?さっき窓口で確認したら、必要ないって言われましたが・・・

銀行員:必要ない・・・いゃ、必要あります。ちょっと手違いのようで・・・

わたし:別に良いですけど、面識がないってどういう意味ですか?

銀行員:私がお客様(わたし)とお会いするのがはじめてで、確認しようがないので身分証明書で確認を・・・

わたし:じゃあ、知っている人ならば、身分証明書は必要ないのですか?

銀行員:一度でもお会いした方ならば・・・

わたし:次から窓口で、店長指名すればいいんだね?

・・・わたしだって普通に出しますよ、身分証明書。

一度聞いていても、確認のため見せて下さいって言われれば普通に出します。わざわざ、待合席まで来て窓口と別な方が、面識がないので身分証明書をって、何だか感じ悪いですよね。普通に呼ばれて、窓口で提示要求されれば、普通に出しますよ。

その店長曰く、面識がないという言葉は、業界用語らしいです。普通のお客に面識がないって言わないと思うのですが、普通じゃないのかも知れませんね。

場所を間違えると、面識がないって言葉も誤解を招くのではないのか?と思うのです。

色々な業界がありますが、内輪で隠語的に使うならば全然OKですが、業界以外の人に業界用語を使うのは、よろしくありません。

事例2.病院で

先日、ちょっと体調が悪くなりかかりつけの某大学病院へ。、予約外でも受診出来ると電話で確認したので行ってました。

曜日で先生が決まっており、私は火曜日に行っているのですが、その日は月曜日。

高圧的な感じのよくない先生でしたが、こっちは患者で心配でもあるので、出来るだけ多くの状況を話しました。

色々見てもらい、結果そんなに問題ないことがわかりました。一安心です。ここまでは、まぁよくある普通な光景です。

で、診察も終わり、次回の予約をとる段階で、月曜しかいないので月曜の予約を取ることに・・・

先生:年明けの月曜日で都合いいのはいつですか?

わたし:出来れば、他科の予約も火曜日に取っているので、火曜にして欲しいのですが

先生:わたしは火曜日いないのですよ。月・水・金だけですねぇ。

わたし:いつもの先生は火曜日にいるので、火曜で取ってくれませんか?

先生:せっかく今日、私が診たのに、火曜日にするのならば「明日くればよかったですね

わたし:(・・?) えっ・・・

先生:特に大きな問題もないみたいですから。。。「明日だったらいつもの先生もいるし、わざわざ今日じゃなくてもよかったですね

わたし:・・・ブチっと何かが切れる音が聞こえたような、気のせいかも(笑)

・・・先生の都合と、患者の容体、どっちを主体に考えるものなのでしょうか?

結果、大きな問題はありませんでしたが、診てもらったからこそわかったことです。先生も普通に自分の勤務状況から言われたことと思いますが、患者にしてみれば、わざわざ今日来る意味があったのに、明日でもよかったとか言われてしまうと、先生の感覚を疑ってしまう。

別にどっちがお客でとか、患者でとか、関係ありません。立場上違いはありますが、自身も何時逆の立場になるか誰にもわかりません。単に相手との関係性だけです。 

2つの事例に共通していることは、相手(わたし)でなく、自分を主体において接しているように感じることです。

業種のくくり的に言えば、いずれもサービス業にはなりませんが、相手がいる以上サービス業みたいなものと思っています。何かのサービスを提供しろとは言いませんが、いずれもプロなのですから、プロとしての自覚をキッチリ持ってもらいたいと考えます。

サービス道を極めることは、プロとして最低限押さえて置かなければならないことと改めて自覚しました。

Comment(6)