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もしも洞察力があったなら……。

<若さ故の過ち>ジェフでもリチャードでもブライアンでもローレンスでもマーティンでもなくマイク

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失敗談をシリーズ化するというのはなんだか恥部をさらしている気が気がしているのですが、多くの方に読んでいただけているような感じもしますので、しばらく続けていきたいと思います。これが私の今後の足かせにならないことを祈りながら。

 

中国は上海で記者会見を執り行ったときのこと。とある日本スタートアップ企業によるオープン系ソフトウェアの提携にからむ会見。中国のITやビジネス媒体を招待して行うことになりました。

 

この会見のプロジェクトはアメリカ、日本、そして中国の三拠点の広報マネージャが集まって準備しました。発表内容、プレゼン資料、FAQ、発表者との調整、会場との調整などなど。

 3人ともその道の人たちですから、的確に、無駄なく整っていきます。

 

やっぱりプロ同士の仕事は気持ちいいなぁー

外国でこんな会見までできちゃう俺って・・・

 

なんて思っていましたよ。

 

ええ。若さ故。

 

で、当日を迎えたんですね。

 

当時の中国では、(今も一部あるかもしれませんが)ちょっとしたグッズなんかを用意すると、それ目当ても含めて招待した記者、呼んでない記者、見たことも聞いたこともない人などわしゃーって人が来るんですよね。中身がわからなくても来るんです。

 

もちろん、まじめなIT系の記者もたくさん来ましたよ。

 

で、会場は大いに盛況。結構結構。

 

通訳は、リレー方式。

 

英語-->中国語-->日本語と、時間差はできますし、多少のニュアンスに違いが出ることがありますが、参加した日本人の記者は自分がフォローする役目でした。

 

準備万端です。

 

MCは、私よりも英語が堪能なアメリカ人が務めます。

 

「定刻となりましたのでただいまより記者会見を始めさせていただきます。」

その言葉を、壇上を眺めながら待っていました。

 

Bridge

しかし、聞こえてきません。

 

定刻を過ぎても静かです。

 

MCの同僚が、私に向かってゼスチャーと口パクで何か言ってます。

 

何かトラブルかな?こんな完璧なセッティングでトラブルなんて、ふっ。ないな。

 

まぁでも、その口パク、読み取ってみようじゃないか。なになに?まー・いー・く?

 

まいく?今日の登壇者にMikeなんていないし、そもそもひな壇は発表者ですでにいっぱいだ。これ以上誰を入れようというのか。

 

じゃなくて?なにやらアイスクリームを食べるようなしぐさをしている。いや、まるでカラオケのような動作だ。しかし表情がいけてないな。ちょっと怒っている顔だ。何でそんなに何を・・・

 

えっ???

  

(マイクどこだよっ!!)

  

WTF???

 

そう。完璧に見えたその準備、肝心のマイクがどこにもおいていなかったのです。無理すれば声を張り上げて会場内に言葉を届けることができたかもしれませんが、なにせ3ヶ国語のリレー通訳まで用意している。マイクがなければ音声が通訳者に届きません。

 

なので、マイクが必要なのです。

 

しかしそこにはない。

 

マイクがなければならないのにマイクがない。

 

ジェフでもリチャードでもブライアンでもローレンスでもマーティンでもなく

 

マイクが必要なんです。

  

 

こ、これは誰のせいだ?いやそんなことより早く事態を収拾しないと。

あわてて、会場にいた技術担当と思しき人に指示をします。しかし相手は日本語も英語もわからない。片言の中国語と派手なゼスチャーでなんとか伝えます。気分はオーマイガー。

そして、大盛況の会場が静まり返ること数分。人をかきわけかきわけスタッフがマイク君のセッティングを行います。何本必要?人数分だから五本だよ。そんなにありません。じゃいくつあるの?二つです。じゃ、二つお願い。というマイルドなやり取りをはさみながら、準備します。なぜそこで走らないの早く準備してよお願いだから。。。と。

    

   

とどのつまりは、私が最終確認を怠ったことによるものなので、他の誰のせいでもありません。ミスをしたときは自分を守ろうとつい他責にしたくなりますが、責任ある仕事をするようになると、自分以外に責任を取る人はいなくなるのだと学ぶようになりました。

  

このときの教訓は、チェックリストを使いましょう。これ怠ると、チェックメイト。

でした。

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