2017年の学習院『マンガの読み方』イベント
»
もう3年前かあ。マンガ研究を駆動した本としてマンガ研究まわりでは伝説的な本で、研究者には興味津々なイベントだった。が、ゲストの現場当事者側は総じて質問に苦笑呆れ気味。研究者は意図や思想的な背景を知りたがる傾向があるが、現場は案外些細な実際的条件で動いているので(お金とかね)、その感覚の落差をあらためて感じたイベントだった。どうしても合理的な動機や考えで作業を進めた側面だけ見がちな研究者の質問は、ときとして現場側から見当外れな観念的探索にしか見えなかったりする。この距離感を量っておくことは、文化社会を扱う場合には、とても重要だと思う。研究者によってはフィールドワーク的な感覚でフィードバックすることもあるだろうが、現場当事者側はお金にならないし必要を感じないので、あまりそういう内省作業はしないだろうけど。僕はすでに研究者側の感覚になっているのも感じたが、来年から戻っていくんだろうか。
SpecialPR