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夏目房之介の「で?」

NHK大河『いだてん』、6代目中村勘九郎の走り方。

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https://www.nhk.or.jp/idaten/r/story/005/

NHK大河『いだてん』。あまり視聴率はよくないとかいわれてるようですが、まあ好みはわかれるでしょう。僕も、視点がやや散漫になってて、さほど面白いと思いませんが、歴史好きなので何となく毎回観てます。で、あまり触れられないと思いますが、主役の6代目中村勘九郎の走り。これ、やはり歌舞伎役者ならではじゃないかと思ったりします。明治40年代の話で、日本人の走り方が教育によって変わりつつあったかもしれないのですが、基本的には江戸期に近い、上半身をあまりねじらず、腰以下で走るスタイルを残していると思えます。番組では、それを考慮しているようです。とくに勘九郎は、歌舞伎が保存する昔の日本人(あるいはアジア人)の走りを再現しているようです。両手をあまり振らず、上半身を動かさず走る。やってみればわかりますが、現代人は修練しないとこの走りができなくなってます。平坦な場所で速く走ろうとしたら、当然今のやり方のほうが速いと思いますが。気にしない人のほうが多いでしょうけど。

※ご指摘を受けました。うっかり「勘三郎」にしてしまいましたが、「6代目中村勘九郎」です。いわれてみればその通りで、まことに申し訳りません。訂正しました。

※やはりツイッターで ご指摘いただいたんですが、勘九郎さんの走りは、プロトレーナーの金哲彦氏の指導で、映像に残る金栗さんの走りを再現しているのだそうです。 またジョギングシューズがない時代なので膝や踵などに負担がかからないよう、すり足っぽく腕の振りが少ないフォームにし、足袋の進化と共に走る姿も進化するのだとか。そこまでやってるとは。

2019年2月24日
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