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夏目房之介の「で?」

歴史のIf(イフ)

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「歴史のIf」を面白おかしく扱った番組を途中から観た(最後までは観てない)。
歴史的事象に「もし、こうだったら」という仮定をすると、その直後からファクターが多すぎて無限の選択肢が生まれてしまうので、事実上不可能なのだが、「もし・・・・」と考えることが同時に歴史を考えることの楽しさでもあったりする。無責任な夢想は楽しいし、面白い。

番組の中で面白かったのは、坂本龍馬、織田信長が生きていたら、という奴。バブルが続いていたら、というのがやや面白かった。
坂本、織田については歴史好きなら一度は妄想したんじゃないだろうか。

坂本が坂本商会を起こして岩崎弥太郎に任せて米国に渡り、帰国後外国語大学を設立し、やがて坂本財閥を起こす・・・・というストーリーは、なかなか面白いし、楽しい。僕もだいたい似た予想をした。でも、僕はおそらく米国から欧州に渡り、日本から呼び戻してもなかなか帰らず、帰国後もあちこち出かけては思いつきで色々やって、財は残さなかった気がする。そのかわり、勝との交流で外交面で何かやった可能性が残る。いずれにせよ、商社の基礎は築いたんじゃないかな。明治の経済って、まず政治と結びつく元武士の起業で始まり、その失敗のあとに政治より商売系の商人が活躍していくんだよね。

織田がもし75歳まで生きたら、朝鮮、中国、東南アジアに進出し、エリザベス朝のイギリスとインドでぶつかり、日本で産業革命が起き、イギリスの世界帝国に近いものを実現していた、というのは誰しも思うんじゃなかろうか。僕も、織田政権が持続したら、ほぼ絶対王政~重商主義に近い日本ができたかも、と昔妄想した。産業革命が日本で起きた可能性もあったんじゃないかな、と・・・・(植民地経営による巨大な利益集中が必要だが)。ただ、中国(明)を支配下に置いたかどうかは疑問がある。むしろ、朝鮮止まりで明とは外交的な対応、東南アジアからインド方面へ、という可能性が高い気がするなあ。当時のイギリスを考えれば、そのほうが現実的だし、大陸にはまり込んだら、むしろ挫折したんじゃないかと思う。仮に世界帝国になったとしても、その後大英帝国同様に没落した可能性も高い。

バブルが続いたら、の話では、結局、リーマンショックでもっと致命的な打撃を受け、IMFの管理下に入る、という仮想になった。ちょっと面白かった。まあ、だいたいそんなとこかもしれない。ただバブル経済が続くためには、出演者もいってたように、バブル経済がバブルでなくなっていく条件が必要なので、そう考えると、IMF管理についてはどうかなあとも思う。逆にリーマンショックより早く、日本発のリーマンショックが世界に影響を与える事態の可能性を引き寄せるかも。

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