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夏目房之介の「で?」

09後期.10 現代マンガ学講義16 戦後マンガ像の変容(1)

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1)「漫画」と「笑い」の分離 尾崎秀樹の挫折
★旧来の漫画像 文芸春秋臨時増刊「漫画読本」82年11月
★「漫画読本」66年 〈夏の増刊 長編マンガ館〉杉浦幸雄『モウソウくん』8p加藤芳郎『クーサイマン』4p 馬場のぼる『ハナの長いイノシシの話』9p 小島功『一寸(3.03ミリ)法師』8p 手塚治虫『われ泣きぬれて島と』16p
★貸本劇画の誕生 56年『探偵ブック影』創刊(八興) 57年『スリラーブック街』創刊(セントラル出版)
白土三平『忍者武芸帳』59~62年発行 マンガを論ずる知識人、学生に影響

→石子順造〈[劇画とは]笑いの要素がない、物語性をもった、実録的な連続マンガということになろうか。読者対象が主として青年層にあるという点も「劇画」の特徴だろう〉石子『戦後マンガ史ノート』紀伊国屋新書 75年 12p

文芸評論家・尾崎秀樹の場合
「笑い」=本質規定 〈まんがをまんがたらしているのは、笑いだ。〉尾崎秀樹「笑い言語へのアタック -まんがへの距離感―」No.1 「COM」虫プロ商事 68年6月号 87~88p  ↓
「笑い言語」による分析の挫折〈私はまんがの中の非まんが的な要素をひとつひとつとり除くことによって、あとに何が残るかということをためそうとした。しかし、実際にはそのような屍体解剖的な手法では何も析出されないことがわかった。〉〈ただ残念なことはまんが論がまんがの外側から論じられて、なかなか内側から論じられないことである。 [略]まんが自体の方法論を確立しなくてはならないが、やっとまんが家の作品研究が緒についた現在の段階では、それも夢のような話だ。〉尾崎秀樹「笑い言語へのアタック -笑いの表現―」最終回 「COM」虫プロ商事 69年7月号 142~143p

2)コマ=表現形式の発見
★コマとマンガ〈B型[コマを持つマンガ]の本質は、ストーリー・まんが・劇・画という話と絵にあるのではなく、コマそのものにあったのだ。〉(峠あかね(真崎守)「コマ画のオリジナルな世界」「COM」68年3月号 80~82p 下線、太字=引用者) 【既出】

★「サンデー毎日増刊 これが劇画だ」70年~「劇画とマンガ」シリーズへ
★「別冊アサヒ芸能2 特選コミック劇場」71年 〈長編クライマックス・コミック特集〉

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